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2005/05/26(木)
大器晩成ならず型
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子供の頃、うちは商売してたから、当然、うちのまわりは、商店街だったです。 夕方になって、デパートとか、銀行が閉まると、その前に、ラーメン屋台や、いっぱい飲み屋とかが、ならびました。 道路では、遅くまで、子供があそんでました。親、忙しいですから、晩ご飯がすむと、こどもたちが、わらわら出てくるですよ。テレビもゲームも無かったですからね。 いったい、なにして遊んでたんだろうね。忘れてしまったです。
その屋台なんかにまじって、占いのおじいさんがいました。 わたしは、このおじいさんと仲が良くて、客がいない時は、よく、おしゃべりしました。変わった子だった、と、思います。 占いも、時々、教えてくれました。 数理は神なり、というのが、口癖で、古くて汚い本を、指に唾つけてめくってました。難しそうな本に見えましたけどね、なにせ、1年か2年の頃ですから、まあ、何が書いてあったのやら。 ある時、手相、見てくれたです。子供に言うんですから、いい事しか言いませんよ。 あんたは、美人になる、21歳で結婚する、みたいなことならべた後で、おおっ!!と、びっくりした声だして、すごい手相しとるよ、あんたは、と、絶句したです。いやー、こんな線(皺のことです)見るのは久しぶりだ、あんたは、大器晩成型の人間じゃ、じっと、がまんして待てば、大金持ちになるぞ。 大器晩成とはなんねー、て、聞いたでしょう、たぶん。 説明してくれた思いますけど、忘れました。でも、その、大器晩成という言葉は、頭にきざみついたですよ。 いつも、人に、わたしは大器晩成型なんよ、と、言ってました。それ言うと、大人はみんな笑ってたですね。ちょっと、傷ついたりもしたけど、大器晩成はあの頃のわたしの心のささえだったです。 だけど・・・ あの、おじいさん、いい加減な事、言ったもんです。 わたし、いまだに、大器になってないです。晩成の晩とは、何歳くらいまでの事、言うんでしょう。まだ、のぞみはあるのかなー! 聞いてみようにも、あのおじいさん、もう、とっくに亡くなってる思いますですよ。
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