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2007/03/08(木)
こうしてビスQは生まれた
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今から15年以上前、俺の店がオープンしたばかりの頃の事だ。 将来はフランス料理のシェフを目指して勉強している子がバイトに来ていた。 なかなか勉強熱心な彼は休憩時間でもカウンターで料理本などをめくっている事がよくあった。 ある時その子がデザートの一覧が載っているページをめくりつつ 『ビスキュイ』 と小さく言った。 『ビスキュイ』 とはデザートの甘い物の事をさすフランス語であるそうなのだがその時の俺の耳には 『ビスキュウ』 と聞こえたのである。 「何、それ?』 俺は訪ねた。 『ビスキュウってオバQの親戚?』 俺は愚かな事を聞き続けた。 彼は苦笑しつつ俺の勘違いを訂正してくれた。 けれど俺の耳に 『ビスキュウ』 という音が残ってしまったのである。 これで何か新しいケーキができないかと俺は彼に相談した。 すると彼はさすがはプロのシェフを目指しているだけの事はあって生クリームとカスタードクリームを和えた特性のクリームにキウイフルーツとビスケットを互いにはさみこんで構成して行く外見はティラミスみたいなケーキを立ちどころに考案したのである。 『ビスはビスケットのビス、キュウはキウイのキュウ』 そんな言葉遊び見たいなかんじで今や俺の店の一押しのケーキは誕生したのである。 後にイチゴを使用した 『ビスイチ』 も作ってみたがイチゴの甘さがクリームに今ひとつ馴染みきらずそれは何時しか立ち消えになった。 ちなみに『ビスキュウ』の表記が『ビスQ』である事は言うまでもない。
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