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2007/05/01(火)
94才の杜若
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今日は今年、満で94才を迎える俺のお花の先生が遊びに来てくれた。 杖こそ持っておられたものの娘さんの車から降りる姿は矍鑠としたもの。 とても94才とは思えない。 早速コーヒーをお出ししてこの連休の話しをした所、 『娘が人が多いからって言ってどこにも連れて行ってくれなくて淋しいんですよ。 だからせめて美味しいコーヒーだけでも飲みたいっていってマスターの店に連れて来てもらったの」 とはにかまれる。 それは明治の最後の女性にふさわしい奥ゆかしさを伴った微笑みだった。 カウンターに飾っていた杜若を 『葉の組み方が大間違い』 と厳しい指摘をしてくれ先生自ら生け直してくれた。 ひとたび花に立ち向かうとそれまでの優しさが嘘のように消えてしまい凛とした気迫が94才の体から立ち上った。 それは思わず頭を下げたくなるような神々しさであった。 一つの事に一生を捧げた人のみが醸し出す事が出来る気迫であろう。
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