マスターのひとりごと
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2008/06/22(日) 体質
昨日から今朝にかけての湿度はもの凄いものであった。
10年くらいまえから自律神経を患っている俺にはつらい季節だ。
梅雨時ありがちの憂鬱な症状のすべてが湿気と共に一気に押し寄せて来るのだ。
まず意欲が低下する。
やたら汗ばかり出る。
それに伴い体温が奪われるので体の中身が冷えてくる。
冷えると体全体がこってくる。
苛つく。
不整脈、肩こり、偏頭痛で座っているのも苦しい。
最終的に不眠が始まる。
こう言った症状を抱えて仕事をするのは正直くるしい。
ましてや接客を生業としている俺は体調が悪いときはお客さんにまで苛ついてしまうのだ。
今朝はそれが最も顕著で、一日店を閉店しようかとさえ思ったほどだった。
ところが夕方あたりからそれまで頭上に覆い被さっていたような不快感が少しづつ薄れていった。
それは薄紙をはがすような変化である。
まず頭全体に渦巻いていた不快感が無くなる。
それと共に汗でじめついていた肌が乾いて来てさらさらになって来る。
そうすると冷たかった肌の表面が次第に暖かくなって来てからだ全体が柔らかくなったように感じられる。
呼吸も楽になる。
思考回路も活動しはじめ前向きな考え方になってくる。
俺は
『あっ、来るな』
と思った。
すると、やがて空全体を覆っていた黒雲が風にながされはじめ、美しい初夏の黄昏が雲間から顔をのぞかせ始める。
淀んでいた空気が雨に洗われたせいで嘘のように透明になり風景全体が際立ったように見え始める。
それまでの不快が長かったぶんだけ呪縛から解放されてような爽やかさが俺の体を通過して行く。
俺はこうしていち早く天気の変化を感じる体質になって来たのだ。
それはいつ頃からそうなってきたのか今では判然としない。
気がつけばとしか言えない。
いい事かどうかはわからないのだけれど、とりあえず今日の夕方感じた気分は至福のひと時だった。


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