マスターのひとりごと
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2009/11/02(月) 薬がない
11月の声を聞くやいなやにわかに寒くなってきた。
寒くなるにつれてインフルエンザが猖獗を極める。
新型インフルエンザの予防接種薬が払底している事は十分承知で、それならせめて従来の予防接種だけでも受けておこうと病院に電話した俺に病院側はすげなく
『今月の割当は終わりました』
と言う。
今月の割当って今日はまだ2日ではないか。
しかも昨日は日曜だったのだから事実上、今日が初日のようなものだ。
電話をしたのが11時頃だったからわずか2時間少々で売り切れと言う事になる。
人気アーティストのコンサート並みの足の速さだ。
それだけインフルエンザを怖がっている人が多いと言う事だろう。
『次回の入荷は?』
と聞く俺に
『いつになるかわかりませんので確実を期したいのなら毎朝お電話ください。
万が一、入っていてもすぐ、来院できない場合は次の方に回しますから』
という返事。
待った無しと言う感じだ。
くじ運の悪い俺にそんな万に一つのような僥倖が望めるわけがない。
病院側が、俺の住所、氏名を聞いて来たので諦めながらも一応質問には答えたが希望など持っていなかった。
ところがそれから数分後、病院から、今日の最後の薬がにわかにキャンセルになったがどうしますか、という知らせの電話が入った。
一瞬、躊躇った俺は先日よりやはり病院にいっても薬がないと言っていた母の事を思い出しその権利を母に譲った。
次回の薬の入荷がいつになるかわからないのは不安だがなんとなくさわやかな気分になった俺だ。
にしても薬がない。
なんなんだ。
これで、先進国と言えるのか。


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