マスターのひとりごと
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2009/03/29(日) ブータン

先週、長い間働いてくれていたバイトの子が進学のため上京し、寂しいとおもっていたのもつかのま、またぞろ個性の強い子が入って来た。
こんどの新人の目的は金をためてブータンに行く事らしい。
なぜブータンなのか、ネパールやミャンマーではなぜいけないのかそこの所は判然としないが取りあえずある程度のお金をためたら行きたいという。
早速その話しをきいた俺は手元にあった地図帳を取り出してブータンの位置を確認した。
中国の西、チベット、ネパールの近隣である。
こんな話しを聞く事もなかったらそれは知る事のない場所であったような気がする。
もうじき四月。
俺の店はあいかわらず個性的な子をかかえて新年度を迎えようとしている。
ともあれ新人のバイト君の夢が実現しますようにと、今はそれだけを言おう。

2009/03/22(日) さよならジンジャ
一年半バイトに来ていたジンジャが今日辞めて行った。
東京の大学に進学がきまっての嬉しい最後の日なのに一抹の淋しさが残るのはきっと俺だけではなく、激しい雨降りにもかかわらず今日は午後から続々と常連さんがジンジャとのお別れに来てくれた。
さながら今日の午後からのカウンターは同窓会のような観を呈しつい最前まで思いで話しに興じていた。
俺がジンジャを三回、馘首にした話しや今後のダイエットの方向性についてなどとりとめなく話しは進行していったが誰の胸中にもきっとお別れの寂しさがうずくまっていたはずだ。
それ故にこそさよならが言いがたくいつまでも名残りおしそうにとりとめない話しをかわしていたのだろう。
しかしジンジャが帰り際にはからずもいったようにいつもとかわらず『お疲れさま』と言ってさよならをした。
このさよならはお別れのさよならではない。
明日からの希望にむかってのさよならなのだ。
さよならジンジャ。

2009/03/18(水) 送別会の夜
今日はバイトの子の送別会。
この春一番の暖かさを記録した今夜だがふと今までに何人のバイトを世に送り出した事だろうと考えてみた。
フランスに不法滞在していたのが露見して強制送還されたあげくそれでも今では立派なフランス料理のシェフになった子。
国際結婚をした子。
30才にならずして立派な家を建てた子。
上京してミュージシャンになって太く短く生きてやるといいいつつ今では円満な二児のパパになっている子。
変な宗教にかぶれ一家離散してしまった子。
若くして病に倒れ亡くなった子。
日展に入選して若き芸術家になった子。
俺より遥かに金持ちになった子。
俺より遥かに世間的に出世を果たした子。
様々な人生がある。
彼らにとって俺の店は一様に人生の通過点だったのだ。
願わくばいい意味での通過点であったらうれしいのだが。
今夜巣立って行った子の人生はどんな風に開けて行くのだろう。
春らしい夜にもかかわらずすこしだけ今夜の俺は淋しい。

2009/03/12(木) 沈丁花
戴いた沈丁花がカウンターでいい匂いを放っている。
むかしバイトに来てた女の子がこの匂いをかぐと切なくなって泣けて来ると言っていた。
その女の子は今年で結婚10周年を迎える幸せな奥さんになっているがいまでも泣けて来るんだろうか。
表から帰って来て店に灯りもつけない状態のまま、暗闇で一際強い沈丁花の匂いに包まれながらそんな事を思っている俺だ。

2009/03/06(金) いつになく謙虚
19回目の3月5日となった今日。
午前中は静かに過ぎて行き、昼過ぎから常連さんがお祝いかたがた顔をみせてくれ始めた。
歴代のバイトのエピソードなど珈琲蔵と共に歩んでくれた常連さんならではの懐かしい話しに時間の立つのを忘れるほどの盛り上がりを示した。
その後、いい香りの沈丁花の花を一枝、持って来て下さるひとあり、『百恵』という名前のミニ薔薇の花束をくださるひとありと千客万来。
写真を撮って出来あがった画像をロサンゼルスに送ると言われた時はいささか緊張を強いられた俺だ。
ちなみにそれは俺がどれだけ痩せたかをロスの人に教えたかったからだそうだが。
究極はわざわざ今治から瀬戸大橋を超えてやって来てくれたお客さんがいた事だ。
その人は先日のケーキ講習会に参加してくださった方のお母さんなのだがどういうわけか珈琲蔵をいたく気に入ってくれ今日の記念日を覚えてくれていたらしい。
今治といえばタオルの名産地で高級タオル数本をお祝いにくださった。
タオルは何本あってもあり過ぎるという事がないのでなによりのプレゼントだ。
そしてにぎわった店も夜更けと共に深閑と静まり今は俺ひとりカウンターでパソコンを開いて日記を書いている。
今俺の胸中にあるものは感謝の念につきる。
この嬉しさを忘れず20年、25年を目標に頑張って行きたい。
今夜の俺はいつになく謙虚だ。

2009/03/05(木) 19年目
3月5日。
今日から19年目のスタートを切る。
これも一重に珈琲蔵を愛してくださる皆様のお陰だ。
今年はマスターの体型、スタッフの大入れ替えと変化にとんだ春となった。
いい意味での変化はいいが基本はあくまでも普遍的に変わらぬ珈琲蔵をモットーとしてやって行きたい。
十年一日の如く。
店を巣立って行った人がふと帰って来た時
『あ、この店はいつまでもかわらないなぁ』
と思ってもらえたらそれにまさる幸せはない。

でも正直、19年も続けるとは思っていなかった俺だ。


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