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2011/05/18(水)
産卵
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大型幼虫軍団は続々と蛹化が進んできています。まだメスが多いですがいよいよですね。
さて、ここ数年一番苦労しているのが産卵です。 これはサイズが大きくなってきたことで新たに発生してきた問題です。大型血統の50mmをはるかに超えるメスからの卵でもワイルドのような30mm後半ぐらいのメスからの卵でも、厳密な数値測定はしていませんが、見た目では卵の大きさはほとんど変わりません。それは何を意味するのか…… 単純には産卵管など生殖器官の大きさは、体長には比例してないでしょうね。天然♂オオクワに多い中歯の個体はだいたい50mm台です。これが現在ブリードで86mmまできているわけで、体積は4倍は軽くあるでしょう。それに国産オオクワだけは野外でのギネスサイズから大きくブリード個体がサイズを伸ばしています。これは遺伝的に既に天然で存在するものとはより大きくかけ離れていることを意味しますが、それだけブリーダーも多く、数も多く飼育されている証拠でもあります。元々持っている遺伝子の情報から体長だけが、突出しているのは間違いないでしょう。
生殖活動のメカニズムは複雑です。オスが精包を交尾嚢に送る仕組みは巧みで繊細にできているみたいですね。ここら辺の内容を昨晩ちょいと昆虫フィールドの漫画 ”鍬道” でおなじみの藤見先生に電話で聞いてみました。漫画でクワガタを書くだけあって、藤見先生の知識は素晴らしいですからね。 詳しいメカニズムの説明は割愛しますが、やはり生殖器官は体長に比例していないことが多いようです。これにより結果的に交尾の失敗が発生するのか! 答えは大型個体を大量に飼育している自分が実験をするしかありません。今後のひとつの研究項目ができました。具体的にやることはこれから時間をかけて考えていこうと思いますが、がむしゃらに大きくなることだけを楽しんできた時間を継続するには、壁がいくつも出てくるものですね。
こんな不安をよそに、今期期待大の86.1mmとインラインでかけたメスの産卵セットを少しだけ覗かせてもらったら、有精卵と思われる卵が出てきました。 あとは、程よい数を産んでくれるのを願うばかりです。
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