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2007/06/03(日)
お散歩小話 その5
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ジュリアを引き取ってから2年かけて、ジュリアの翼はほぼ完璧に生えそろっていた。逆に言うと、根元までかじってあった翼がきれいに生えそろうまで2年かかったということだ。
いつもなのだが、「きれいになってきたな」と思った頃にジュリアは羽をかじり始める。 始まったら止まらなくなるらしく、一気にはげる。 足がきれいになったと思ったら、足ばかりかじりだす。 胸がきれいになってきたなと思ったら、胸の辺りばかりかじる。 翼も一緒だった。 冬の間にかじり切ってしまったのだ。
翼が生えそろってもジュリアは飛べなかった。 筋力が弱いからだ。 飛ぶことを知らないジュリアにとっては不必要なものなのだろうと、プラス思考で考えたりもする。
さて、そんなハゲハゲオウムを連れてお散歩しているのだから、自分はかなりの根性よしである。
鳥の毛引きについては一般的には知られていない。 下手をすると、虐待しているのではないかと疑われるかもしれないし、「珍しいオウムを自慢して連れ歩いているのだろう」ともとられかねない。
地肌が見えている部分に気づいた人には 「その鳥病気ですか?」 と、言われることもある。
顔の周りははげていないから、 「真っ白できれい〜〜!黄色い頭の上の羽が素敵!」 と、言われることもある。
しかし、一番多い質問は 「飛ばないんですか?」 だ。 「いろいろ事情があって飛べないんですよ」 と、答えることが多い。 詳しく話していると長話になってしまうからだ。
現在、風切羽はずたぼろ状態だが、ジュリアは水浴びをしているとき以外は翼を広げないので、それは目立たない。 なによりお散歩をして、できるだけ羽をかじらせないようにすることと、日光浴をさせて丈夫にすることのほうが重要だろう。 ジュリアはお散歩が大好きなのだから。
今年の春先のことだ。 さあ、お散歩シーズン到来だ!と、爪の先を切ってお散歩を開始した。 翼はかじりきってしまっていたが、広げなければわからない。一見きれいなオウムに見える。
散歩中に出会った人に 「飛ばないんですか」 と聞かれたから、 「いろいろ事情があって飛べない子なんですよ」 と、答えた。 ふと見ると去年のどんぐりが落ちていた。 まだきれいなどんぐりだったので拾おうとしゃがんだら、なにせ爪を切ったばかりだったから、ジュリアはすべって腕から地面に仰向けに落ちてしまった。 天に向かった足が宙を切っている。 ジュリアは起き上がろうと翼を広げた……。 根元までかじってある翼がまるみえになってしまった。
すぐに腕を出したら、仰向け状態から懸垂し、腕に乗ってきた。 気恥ずかしいようなあせった顔をしながらも、とぼけた表情をしている。 「ははは‥ジュリア〜、羽無いのばれちゃったね…」
そこで言い訳がましく、鳥の毛引きについてや、飛べないわけなどを長々と説明する羽目になった…。
まあ、そんな日もあるさ…。
(写真 最近のジュリアの翼の様子。冬の間にジュリアは「うちわ」だけでも30枚破壊しつくしている。羽かじりを防ぐためには「うちわ」が300枚あっても足りないだろう…)
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