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2011/11/23(水)
641 音
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東京で学生生活を送っていたころ、冬などに帰省して寝床に入ると、 吸い込まれるような静寂によく驚いた。
都会では、重低音というか、色んな音が混じり合った潮騒の“ようなもの”に馴らされていたことがあらためて意識させられた。“ようなもの”は一言でいえば都市騒音なのだが、ふさわしい言い方はないものか。
10数年前に市中心部から海岸に近い住宅地に引っ越した際、古くから近所に住む友人に「深夜に潮騒は聞こえる?」と、聞いて大恥をかいた。「聞こえるわけがないじゃない。大通りを走る車の騒音!」と、一笑に付された。
私の聴覚は、都市騒音=潮騒らしいのだ。
家の前が6m道路になり、街らしくなって深夜の音にも変化がある。数々の屋根、家々の隙間、電柱、張り巡らされた電線……
季節風の風下の我が家に影響がないわけはないのだ。
新たに増えた音は、遠くで列車が走る音の“ようなもの”。 列車でないのは、レールの継ぎ目に車輪が嵌った時の、 ゴトン、ゴトンという音がないことから分かるのだが……
深夜、ベッドの中で耳を澄ますが、なかなか発生源が思いつかない。 だからといって都市騒音の一語で済ませたくない。 “ようなもの”は、何だ?? そして、何と表現すればいい??
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