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2011/02/16(水)
360 森になりたい
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「田沢湖をコメの備蓄庫にすればいい」 適温のところに沈めるだけ。電気は食わないし建物もいらない。 「また、ホラ話が始まった」と、言われたものだと涼しい顔。
これはほんの一例。さまざまな気宇壮大な話を聞かされた。
県を動かし木炭備蓄を実現させた。備蓄木炭が阪神大震災の避難民の心や体を温めたことを、つい昨日のことのように語っていた。 時には実現するのだ。
私と彼の打ち合わせは、ほとんど独演会。9分9厘は研究テーマの木炭や森とのかかわり。最後の1厘で仕事の話。メリハリが効いている。
今年に入ってから案件を受け、2人で物件調査に出掛けたり、打ち合わせを重ねてきた。 一昨日、連絡すると専務の息子さんが「今日亡くなりました」
享年84歳。県庁OB。ビルオーナーでもあり木炭の専門家。 「夕陽の松原守り隊」の会長として炭焼きの指導にもあたっていた。
彼を紹介した手元の冊子に、 彼の手になる「私は森になりたい」との色紙が載っていた。
最後にお目に掛かった時は、瞼が重そうだった。 昨日弔問した際は、楽しい夢でも見ているような瞼をしておられた。 森になった夢を見ているのだろうか。もっと話を聞きたかった。
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