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2012/03/15(木)
754 幸せこまち
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「うまいねぇー」 東京西新宿にあったバイト先の米屋さんの社長が、コシヒカリの新米のおにぎりを頬張ってにこにこ笑顔で言うのだった。
20トントレーラーで運ばれてきた産地直送の30キロ紙袋を、肩にかついで倉庫に運び込む作業を終えて食べたおにぎりは、コメの味を確かめるためだけに炊き上げたもの。
ひと汗かいた後でもあり、塩気がなくてもコメ自体のうまさが際立ち、社長ならずとも「うまいねぇー」だった。 今朝食べたごはんは、それに優るぐらい「うまいねぇー」
農産物のトレーサビリティーがいわれて久しいが、これこそ極致。生産された方がまさに目の前にいて30キロ入り紙袋を捧げているのだ。
首都圏の営業や春作業の忙しさを縫って11日(日曜)、大潟村の専業農家が娘さんとアパートの契約にやってきた。紙袋を捧げる指は、女の細腕で大規模農業を切り盛りする指だ。彼女が独立心旺盛なら、中学を卒業したばかり娘さんも列車通学でなく独立志向。
彼女のブランドは「幸せこまち」。旦那さんの名前の一文字と、自分の名前を冠にしたもの。銀座三越のテナントの天ぷら屋さんに納入が決まったと、話す彼女は、小柄ながら明るさと行動力は並みでない。
作った方の顔が浮かぶ今朝のごはんは最高。 出会いがうれしい。生産者としての将来や娘さんの新生活…… まさに春。しなやかに伸びてほしい。
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