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2017/05/23(火)
2646 猫跨ぎ
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NHKの土曜ドラマ「みをつくし料理帖」を見始めた。浪速から江戸へ天涯孤独の少女が移り住み、苦労を乗り越え一流の女性料理人になる成長物語。
先週は戻り鰹が食材。初鰹のためには女房を質に入れる江戸っ子。それに反し戻り鰹は猫跨ぎと目もくれない。それを知らずに提供した浪速っ子は大顰蹙。
義理に人情にやせ我慢の江戸っ子に対し、「旨い物は旨い」と実質を重んじる浪速っ子は一計を案じた。「はてなの飯」として、煮〆た戻り鰹のフレークをまぶした飯を売り出して大好評。見栄っ張りの江戸っ子の鼻を開かしたのだった。
日曜日、スーパーでめったに売ってない冊の鰹に手を出したのは女房。ドラマに触発されてサイコロ状に煮〆たくなったのだとか。ショウガの細切りと相まって……
翌日の社食。おにぎりに魚の煮〆。当然、鰹のサイコロ煮!? 「はてな!?」 よくよく考えると女房が食べ残したカンパチの刺身の二切れ。 新鮮な刺身の煮〆。これが猫跨ぎになるわけはないな、と。
「ハタハタは下魚で猫跨ぎ」とはよく聞いた話。その後に続くフレーズは決まって「今や庶民の口に入らない高級魚」。時代の違いと描写の一致ななんだ!?
この猫跨ぎ、実際に猫が肴を跨いでスルーしたという実写ではなく、話を面白くする決まり文句に過ぎないんだな、とつくづく思う今日この頃です。
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