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2020/03/10(火)
またひとつ秋山が消えて行く
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昨日秋山郷の山を知り尽くしていた方が亡くなったと連絡があった。私と同世代だ。お別れに出ると車のタイヤの空気が抜けていた。中津川の水量が増え、雪しろが始まった。終日風が強く、何もかも忘れてしまえと吹き荒れている。 彼がいなくなると遭対協は重要なナビゲーターを失うことになる。山岳救助隊も水力発電も登山者も困ることになる。彼の父親は秋山最後の食猟師だったことを彼から聞いたのは十数年も前のことだった。山に入るのが好きでどこの沢もどこの尾根も知っていた。もっと話を聞いておくべきだった。彼の後を引き継ぐ人を探さないとまたひとつの秋山が消えて行く。 少しはにかんだ古風な笑顔と会えなくなった。彼が作った秋山の解体用の猟師ナイフが形見となった。
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![](/user/mokkiri/img/2020_3/10.jpg) |
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