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2008/03/29(土)
御徒町→アメ横→上野公園→上野駅
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「御徒町駅で待ち合わせね！」
と、奴があまりにも煩いからついに折れて、
山手線に乗り込み御徒町で降りる。
「外山！遅いっ」
「電車使えったのお前だろ？」
そう言うと、奴はため息をついてから、
行くよ。と言いアメヤ横丁の中へ進んでいく。
「おいっ！」
奴はあっという間に人混みに紛れて見えなくなる。
「これぐらいの人混みであたしを見失うなんて外山にはガッカリだわ。」
気が付けば、見えなくなった奴は俺の隣にいて、俺の手を握る。
「きちんとついてきてね！」
そう言うなり人混みの中へ向かう。
奴は人混みの中でも空いてる箇所を見つけ出して、上手にアメヤ横丁を進んでいく。
「お前すげーな」
「通勤ラッシュで鍛えてるからね！」
笑ってこっちを向いたかと思うと、何かを発見したらしく、
手を離してそっちに向かう。
「はいっ！串メロンだよ！」
串に刺さったメロンを受け取って、一口食べる。
「…………」
「美味しい？」
目をキラキラさせながら聞いてくる奴の、口の前に串メロンを持っていく。
それに答えるように奴は口を大きく開いて、メロンを食べる。
「んっ！」
嬉しそうにモグモグと口を動かして、メロンを飲み込む。
「何？メロン食いにきたの？」
「それもあるけど。違うよ！目的地はあっち！」
奴の指差した方を見ながら残りのメロンを食べて、串をゴミ箱に捨てる。
奴はそれを確認してから、また俺の手を握って進み始める。
アメヤ横丁を抜けて、左側にある横断歩道を渡って上野公園の敷地に入る
「ここが目的地？」
「うんっ！歩きながら花見しよう？」
「花見なら別にここじゃなくても……」
「ダメッ！」
ギュッと繋がっている手に力が込められる。
「今までと同じじゃ嫌なの！」
「……なんで？」
「外山さ、串メロン初めて食べたでしょ？」
俺の質問の答えとはかなりずれているが、答えないと話が止まってしまうので答える。
「そうだな。」
「こんな人混みの中で花見も初めてでしょ？」
「あぁ」
「桜は毎年咲くよ。でも、毎年外山の隣にいるのがあたしとは限らないでしょ？」
繋がっている手から加わっている力が少し緩くなる。
「でも、いつもと違うことしたら少しは覚えててくれるでしょ？」
「………どーだかなぁ」
「え？」
繋がっている手を握りかえす。
「これから『これ』が『いつも』になるんだろーが！」
＋＋＋
すっごいナチュラルに彼女に甘い外山とか考えただけで動悸がする。華來です。
春休みの上野はあり得ない混み方ですた。
もぅ休日に外出したくない。
でも上野公園の桜は相変わらず綺麗でした。
東京は桜が満開ですので、華來も地元の駅から桜の見えるルートで遠回りして帰ってきたんですが、
ふと、その道の電柱全部に紙が貼ってあるのが目に入って
「あ、迷子犬とかかなぁ？」って見てみたら、
「携帯電話が壊れて連絡ができないのでこのような方法をとらせて頂きました。
もう一度会いたいです。
毎週日曜日に市民ホールで待ってます」
みたいな事が書いてあって、色々妄想した。
明日は日曜日だけど、あのポスター貼った人が会いたい人に会えるといいな。
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