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2007/05/30(水)
記憶のメカニズム
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過去の悲しい出来事は時間をかけて忘れたのではなく 記憶の奥底に沈めて忘れた振りをしているだけなんだと気付く
きっかけは従業員からの電話 ペットの様子がおかしいと病院に連れて行ったら危険な状態と宣告され 明日の勤務を休ませて欲しいと途中から涙声になってしまった 他人から見たらペットでも当事者には家族も同様なのだから当然だ
それを聞いた瞬間30年以上も前の記憶が突然襲ってきた
ピスは親戚の家で産まれたスピッツ系のミックス犬だった 子犬を抱きしめたままの兄が連れて帰ると駄々をこね父を困らせた 当時4歳の私は兄に抱かれた真っ白いフワフワの背中を恐る恐る撫でた
その日から我が家の一員になり何匹かの子孫を増やし約10年を過ごした ある日学校から帰ると朝は元気だったはずのピスが冷たくなっていた 別れの日は余りにも突然訪れその亡がらを家の庭の土に還した
悲しみは時が癒し引きずる事も無くピスは少女時代の思い出に成っていた ハンドル名をpissにしたのも特に感傷的な理由は無くなくただ何となく… だからあの日の記憶を鮮明に思い出す日が来るなど考えもしなかった 感情移入しすぎるのは私の悪い癖だがこればかりはコントロールが厄介だ
かくしておけちゃんの家のウサギは無事元気を取り戻した様子 明日からはまたあの笑顔が戻って来るだろうとホッと胸を撫で下ろした
*ピスを抱きしめて駄々をこねた兄は50歳に成る今も犬を飼っている*
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