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2004/11/10(水)
『ビートルズ アメリカ盤のすべて』
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キャピトル音源を集大成したシリーズ(になるであろう)第1弾、『THE CAPITOL ALBUMS Vol.1』のリリースを記念して、集英社インターナショナルから『ビートルズ アメリカ盤のすべて』という新書版の書籍が出た。 中山康樹さんと小川隆夫さんの共著。
お二人ともジャズとビートルズの分野にまたがっての活躍目覚しい評論家であるから、両方に興味のあるぼくはお二人の文章を読むことが多かった。 ただ個人的な印象を述べると、中山さんはジャズについて書いた文章は抜群におもしろい(なにしろ大阪人である!)のだが、ビートルズに関してはやや独善的な傾向があり、ぼくとしては違和感を感じることも多かった。とくに『REVOLVER』の評価については、このコーナーの5月17日の項に書いているので、よければご覧ください。 小川さんはブルーノートのオリジナル盤のコレクターとして世界的に有名な方だが、ビートルズのコレクションもすさまじく、今回の本の写真はすべて氏のコレクションである。ただし小川さんの文章を読んで「おもしろい!!」と感じたことはあまりない(……すんません)。 そういうお二人の共著だから、正直興味半分というところだった(おいおい)。
火曜日にやっと手に入れて一通り読んでみたが、けっこうおもしろかった。 最近出たビートルズ関連の書籍の中ではいちばんおもしろかったといってもよい。 ぼくがUS盤について浅薄な知識しか持ち合わせていないから、「へえ〜」と感心することが多かっただけかもしれないが……。
ただし、アメリカ独自のコンピレーションを取り上げた第3章は、アルバム1枚につき1ページという構成のため、内容が非常に薄くなっている。 同じことはアメリカ盤がリリースされなかった『オールディーズ』と、UK盤と同一内容になった『サージェント』から『レット・イット・ビー』までを取り上げた第5章についてもいえる。「アメリカ盤のすべて」と題して取り上げるのなら、キャピトル盤だけの特徴についてつっ込んだ内容が欲しかった。
さて、これを読んでぼくは今までまったく興味のなかった『THE BEATLES' STORY』をちょっぴり聴いてみたくなりました(笑)。
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