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2004/12/11(土)
ロックのアルバム500枚
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先日米『Rolling Stone』誌のロックの名曲500を紹介したが、じつはこれには続編があってロックの名盤・アルバム500枚というのがあったのだ。 最新号の『SIGHT』(ロッキン・オン社)がその上位100枚を特集しているので、ここで紹介しておこう。
第 1位 『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』 ザ・ビートルズ 第 2位 『ペット・サウンズ』 ザ・ビーチ・ボーイズ 第 3位 『リヴォルヴァー』 ザ・ビートルズ 第 4位 『追憶のハイウェイ61』 ボブ・ディラン 第 5位 『ラバー・ソウル』 ザ・ビートルズ 第 6位 『ホワッツ・ゴーイング・オン』 マーヴィン・ゲイ 第 7位 『メイン・ストリートのならず者』 ザ・ローリング・ストーンズ 第 8位 『ロンドン・コーリング』 ザ・クラッシュ 第 9位 『ブロンド・オン・ブロンド』 ボブ・ディラン 第10位 『ホワイト・アルバム』 ザ・ビートルズ
う〜ん、『サージェント』が1位というのは、ぼくとしてはとっても嬉しいのだけれど(「BEATLESのアナログ盤」のページに書いているように、最近の『サージェント』に対する評価の下落には納得できない部分が多い)、『Rolling Stone』誌にしてはひねりがなさすぎて拍子抜けの部分もある(笑)。 そして『ペット・サウンズ』が堂々の第2位というのはすごいですね。『SMiLE』のセルフ・カヴァーを出して意気軒昂たる感のあるブライアン・ウィルソンも、昔からのビーチ・ボーイズ・ファンもさぞかし溜飲を下げていることだろう。
それにしても500枚の上位10枚にビートルズが4枚!もちろん嬉しいのだけれど、複雑な思いもあるなあ。 ビートルズはこれ以外にも、14位に『アビイ・ロード』、39位に『プリーズ・プリーズ・ミー』、59位にUS編集の『ミート・ザ・ビートルズ!』、86位に『レット・イット・ビー』が入っている。どちらかというと中期から後期が評価が高く、初期は低い。 ソロでは『ジョン魂』が22位、『イマジン』が76位で、ポールもジョージもBEST100には顔を出さない。
概してアメリカのミュージシャンは適切に評価されているのに対し、イギリスのミュージシャンの評価が低いのが気になる。 たとえば、ディランは上記2枚のほかに16位に『血の轍』、31位に『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』、97位に『フリー・ホイーリン』、ジミ・ヘンドリクスも15位に『アー・ユー・エクスペリエンスト?』、54位に『エレクトリック・レディ・ランド』、82位に『アクシス:ボールド・アズ・ラヴ』と至極順当である。
ところが、たとえばレッド・ゼッペリン。 『Rolling Stone』誌は、デビューしたときから徹底的にゼップを無視したから評価が低いのは当たり前だが、『I』が29位、『U』は75位、『IV』が66位で、『フィジカル・グラフィティ』が70位というのはあまりにも過小評価だねえ。 ザ・フーは28位に『フーズ・ネクスト』、96位に『トミー』で、ベスト100には2枚だけ。 ストーンズもおおむね低い。32位に『レット・イット・ブリード』、57位に『ベガーズ・バンケット』、63位に『スティッキー・フィンガーズ』で100位以内には4枚。 そしてなにより納得できないのはエリック・クラプトンだ。クリームの『素晴らしき世界』も『ディズラエリ・ギアーズ(カラフル・クリーム)』も、デレク&ザ・ドミノズの『レイラ』も、とにかく100位以内には1枚も入っていない。どういうこと?
それに対して(別に恨みがあるわけじゃないが)、マイケル・ジャクソンは20位(!)に『スリラー』、68位に『オフ・ザ・ウォール』というのは評価が高すぎないか? マイルズ・デイヴィスの『カインド・オヴ・ブルー』が12位に入っていて、これはジャズのアルバムとしては1位になってもおかしくない大名盤だと思うけど、ロックなアルバムか?
……とまあ、いろいろツッコみたくもなりますねえ。
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