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2004/03/16(火)
Ringoのグルーヴ
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以前Y.Z.さんに『LET IT BE...NAKED』は好きですかと聞かれて、そのときは思っていることを印象批評的に述べたに過ぎなかったが、今日、例によって車の中で『NAKED』を聞いていてはっきりわかったことがあった。 リンゴのグルーヴである。
ぼくがリンゴってドラムうまいよなあ…と思い始めたのは『WHITE ALBUM』のころからで、とくにC面1曲目(今でいうとDisc2の1曲目)「Birthday」のつんのめるようなイントロを聴くと今でも血が騒ぎます(笑)。
で、『NAKED』なのだが、たとえば5曲目の「Two of Us」を聴いてほしい。 この曲はポールの曲としては、平均点ぎりぎりぐらいの、まあ可もなく不可もない曲だと思うが、リンゴに関していえば、まったくやる気のない、グルーヴの感じられないドラミングである。 けっこう細かいオカズも入れているようだが、気分がちっとも盛り上がらない感じが伝わってくるような演奏である。 そりゃあそうでしょう、いつ果てるとも知れぬだらだらしたセッションを続けていれば、よっぽど何かのきっかけでもなければ、気合なんか入りませんよ。
リンゴのやる気のなさは、ほかのメンバーにも伝わる。 「The Long and Winding Road」のサウンドがあまりにもスカスカで、フィル・スペクターがストリングスを入れた気持ちもわかると、以前も書いたが、間奏のビリー・プレストンのソロを聞いてほしい。 ピアノ弾き始めた小学生でも弾けそうなソロですよ。 ビリー・プレストンが果たした役割の大きさは認めるけど、この曲では全然化学反応を起こしていない。
ところが6曲目、ルーフ・トップ・コンサートの「I've Got A Feeling」になると、ポールのヴォーカルも気合が入ってるし、リンゴのドラムも俄然グルーヴが出てくる。 66年のラスト・ステージ以来3年ぶりに聴衆の前で演奏するのだから、その緊張感がいい感じにバンド全体を支配しているのが伝わってくる。
ツェッペリンにボンゾのグルーヴが、コルトレーンにはエルヴィンのグルーヴが必要だったように、BEATLESにはリンゴのグルーヴが必要だったんですね。
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