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2004/03/22(月) 横山秀夫の『看守眼』
横山秀夫がすごい人気である。
出張である都市に行ったときに、ふらりと入った書店で『半落ち』を買ったのが、ちょうど去年の今ごろのことだ。
『このミス』と「週刊文春」の両方で1位を取るなんて、並大抵のことではないから、面白いんだろうとは思っていたが、最初の1ページを立ち読みして、あっという間に小説の世界に引き込まれてしまった。

直木賞の選考会では、設定が現実にあり得ないことも含め、いろいろと議論になり、結局受賞を逃してしまったが、そんなことはとても些細なことにぼくには思えた。

それから、文庫で出ている『陰の季節』、『動機』という2冊の短編集を読んだが、これまた、すばらしく面白い。
今まで刑事を主人公にしたミステリーは古今東西ごまんとあるが、横山秀夫の作品は、実際には捜査に関与しない管理職を主人公に据えたものが多く、新鮮であると同時に管理職であるゆえのさまざまなジレンマが人生の機微を浮かび上がらせて見事だ。

さっそく職場に持っていってみんなに読ませた。
ぼくのいるセクションには8人が働いているが、そのうち6人が『半落ち』を読んで、みんながみんな「面白い!」という。これはすごいことですよ。

Hさんという人がいて、この人は
「宮部みゆきの『火車』読みました?あれ面白いですねえ」
と今ごろ言ってる、のんびりとしてすごく気のいいオヤジさんなんだが、かれに『半落ち』を読ませたら、貸してあげるというのに自分で『陰の季節』も『動機』も買ってしまうほどの入れ込みようで、その後も『真相』、『第三の時効』、『看守眼』と買って貸してくれるので、ぼくとしてはほんとに助かっている。ありがとうございます。

さて、『看守眼』であるが、表題作はそれほどでもなかったものの、最後の短編「秘書課の男」、これには参りました。
久しぶりにミステリーを読んで目がうるうるしてしまった。
未読の方にはぜひお勧めします。


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