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2004/03/05(金)
最近お勧めのDVD
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きょうは最近見たDVDのなかで一番のお勧め、『ムーンライト・マイル』について。 3月1日の『アカデミー賞』のなかにもちょっと書いたが、事件に巻き込まれて娘を殺されてしまう父親役をダスティン・ホフマンが演じている。 母親役はスーザン・サランドン。この二人のオスカー俳優が夫婦を演じているというと、「すっげー濃い夫婦だなあ」と思う人がいるかもしれない。 ところが、この二人本当に何年もの間夫婦だったように、実に自然なのだ。 余談だが、ダスティン・ホフマンの役名がベンジャミン(ベン)というのもニヤリとさせられる。 彼らと奇妙な共同生活を送ることになる、娘の婚約者に、『遠い空の向こうに』で主人公の高校生を演じたジェイク・ギレンホール。 ここでも誠実な青年役を好演している(ちなみに『遠い空の〜』もお勧めです)。 そして彼の心に波紋を投げかける謎めいた女性にエレン・ポンペイオ。彼女がまたいい。 監督は『シティ・オブ・エンジェルス』のブラッド・シルバーリングだが、この映画のストーリーが彼の体験から来ているというのが実に驚きだ。 『シティ・オブ〜』をぼくはあまり評価しないけれども、この映画はとても素敵だと思う。 映画のなかでエルトン・ジョンをはじめ、ヴァン・モリスンやT・レックスなど、70年代のロックの名曲がたくさん流れるが、それはシルバーリング監督の青春時代が舞台になっているからだ。 このサイトを覗く方ならお分かりになるかもしれないが、タイトルになっている「ムーンライト・マイル」というのは、ローリング・ストーンズの71年のアルバム『スティッキー・フィンガーズ』のB面4曲目に、ひっそりと収められている曲だ。 こんな曲をタイトルにするのだから、センスがいいというべきなのか、商売っ気がないというべきなのか…(笑)。 しかし映画のなかでは実に印象的に流れる。 見終わった後、失くしてしまった大事なものをもう一度取り戻せたような、さわやかな映画になっている。
最後に一言。見る前にパッケージやAmazonのサイトなどに書いてある、この映画のストーリーを読まないように。 完全にネタばれです。ぼくはそういうことがあるので、買うときもレンタルするときも読まないようにしているが、映画の前半でジェイク・ギレンホールの態度に、何だかわからない「ためらい」のようなものがある、その理由がパッケージなんかには書いてあります。 これ書いちゃあ、興味半減でしょう。
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