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2004/04/28(水)
DVDが安いのはうれしいけれど
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職場の近くに新星堂が新しくできたので、帰りにちょっと立ち寄って、旧作のDVDを5枚ほど買ってきた。 ベルナルド・ベルトリッチが1枚、ブライアン・デ・パルマとコーエン兄弟がそれぞれ2枚ずつの計5枚。しめて6,124円。 は? ろ、6,124円? もちろん総額表示だから消費税を除くと5,833円、1枚当たり1,167円である。 いったいどーなってんだろ。
2月29日の日記にDVDのレンタルが3本で202円だったという話を書いたが、なんか無茶苦茶である。
昨日紹介した『紙ジャケ探検隊』でも、著作権保護という名の輸入盤規制問題が取り上げられていたが、輸入盤を規制しても恩恵を受けるのはレコード会社であって、ミュージシャンやプロデューサーなどのいわゆる「現場」の人たちではない、ということは素人でも容易に想像できる。 一方ではそうやってレコード会社を保護しておきながら、映画を制作している人たちの権利はどうするのだろう。
考えてみれば今からちょうど20年前、まだ14インチのカラー・テレビが一般的だったころ、ぼくは映画を大きな画面で見たくてパイオニアのSEEDというモニター系のテレビとレーザーディスク・プレイヤーを買った。 26インチで、うちに遊びに来た友人たちはすごくびっくりしてた。 最初に買ったLDはマリリン・モンローが出演している『億万長者と結婚する方法』と『スター・ウォーズ』。 2枚で17,600円だった! 高かった(涙)けど、好きなときに好きな映画を繰り返し見られるという幸福は何物にも代え難かった。
もちろん同じ映画といっても、アナログのLDとデジタルのDVDを単純に比較することはできないだろう。DVDの廉価化は、高品位のコピーが安価にできるデジタルならではの恩恵なのかもしれない。 でも、だったらCDはどうなんだ?
念のために申し添えておくけれど、ぼくは著作権を保護するためにDVDにも再販の網をかけて値崩れをさせるな、と言ってるわけでは、もちろんない。 それどころか再販制度は逆に著作権者の利益を不当に奪うものだと思っている。
ぼくが言いたいのは、著作権保護という名目で一部の団体の権益を守るような近視眼的な政策が、結局はこの国の芸術というものにたいする考え方を痩せ細らせているのではないか、ということだ。
2月29日の日記にも書いたけど、今の人たちって(ぼく自身も含めて)映画を「消費」してるんじゃないだろうか。 ぱっと見て、「なにこれ、つまんねーの」、で終わってるんじゃないだろうか。
それでいいんじゃないの、だってたかが映画じゃん、という人もいるだろう。 でも、きちんと映画を批評する土壌がなくなれば、いい映画は育たなくなると思うんだけど……。
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