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2004/06/12(土) JAZZの愛聴盤−3
マル・ウォルドロンというピアニストは、わが国ではアルト・サックスのジャッキー・マクリーンと共演した『レフト・アローン』で人気が高いが、アレンジに冴えをみせる『マル1』など名作をいくつも残している。
今回はそのなかでも特に好きなマル・ウォルドロン『ザ・クエスト』を取り上げる。

話は飛ぶけれど、ぼくはモーツァルトが大好きで、なかでもピアノ協奏曲を初めとするコンチェルトや室内楽曲をよく聴いている。そんななかで特に好きな曲のひとつにクラリネット協奏曲イ長調Kv.622がある。
ケッヘル番号からもわかるとおり最晩年の作品で、長調なのだけれど透明な哀しみに包まれたような、とにかく筆舌に尽くしがたい素晴らしい作品だ。

マルの『ザ・クエスト』のB面1曲目に入っている「ウォーム・カント」という曲を初めて聴いたとき、そんなモーツァルトの作品に通じるかのような、いいようのない悲しみを湛えたクラリネットの音色に、思わず胸の鼓動が早くなったのを覚えている。
ここでクラリネットを吹いているのはエリック・ドルフィー。
マルチ・リード奏者として知られる彼は、アルト・サックス、フルート、バス・クラリネットなどをこなすが、クラリネットを吹いたのはおそらくこの曲だけだ。
淋しげなクラリネットが軽やかに音階を駆けのぼり、セロ(byロン・カーター)がぽつりぽつりとため息をつき、ピアノがそれに応える。まるで古いフランス映画の一場面かなにかを思わせるような、もの淋しげな曲である。

さらにB面ラストには『ファイヴ・スポットのエリック・ドルフィーVol.1』で、エリックとブッカー・リトル(tp)が白熱の演奏を繰り広げる「ファイアー・ワルツ」の初演も収められている。この曲では残念ながらドルフィーのソロはないが、マル、そしてブッカー・アーヴィン(ts)の素晴らしいソロが聞ける。

MAL WALDRON "THE QUEST"
NEW JAZZ NJ 8269


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