ホームページ最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2004年9月
前の月 次の月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
最新の絵日記ダイジェスト
2005/06/26 6月22日の紙ジャケ ― part 3
2005/06/25 6月22日の紙ジャケ ― part 2
2005/06/21 6月22日の紙ジャケ(こまかい!)
2005/06/19 ぼくのシネ・レヴュー ― Shall We ダンス?
2005/06/16 ロンリー・ボーイ

直接移動: 20056 5 4 3 2 1 月  200412 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 月 

2004/09/16(木) JAZZの愛聴盤-8
秋の夜長にはクールなジャズを…。

『GRAND ENCOUNTER(偉大なる邂逅)』とはまた大袈裟なタイトルをつけたものである。
だれが恥ずかしいって、レコーディングに集まった当人たちがいちばん恥ずかしかっただろう。
録音は1956年2月10日、ハリウッドである。
当時はウエスト・コースト・ジャズと呼ばれる、アレンジやアンサンブルにこだわったクールなジャズの全盛期であった(厳密にいうともうイースト・コーストでマイルズやロリンズが反撃の狼煙を上げていたけれど……)。
スタジオに集まったのはウエスト・コースト・ジャズの中心人物の一人だった、ドラムスのチコ・ハミルトン、白人テナー奏者として1、2位を争う人気のビル・パーキンス、当時はまだ西海岸で活動をしていたギタリスト、ジム・ホールという3人に、MJQ(モダン・ジャズ・カルテット)のピアニスト、ジョン・ルイスとベースのパーシー・ヒース。
つまりウエスト・コーストの3人とイースト・コーストの2人が、パシフィック・ジャズという西海岸の名門ジャズ・レーベルの録音に顔を揃えたのである。
そこで「偉大なる邂逅」(笑)。

曲はジェローム・カーンの名曲「LOVE ME OR LEAVE ME」から始まる。
ジョンのやや哀愁を帯びたイントロから、テーマの提示を経て、最初に出るビル・パーキンスがやはり素晴らしい!レスター・ヤングゆずりの柔らかくてスムーズなトーンで、美しいソロを綴ってゆく。
そのあとを受けるジム・ホールのソロがブルージーでまたいいのだ。
3番手はジョン・ルイス。MJQでおなじみの、高雅な趣きに溢れる簡潔なソロだ。

トリオで演奏される、ヴァーノン・デュークの「言い出しかねて(I Can't Get Started)」、ジム・ホールの加わったカルテットによる、ホーギー・カーマイケルの「Skylark」、5人による「Easy Living」、ラーナー&ロウの「恋をしたみたい(Almost Like Being Love)」と、スタンダード・ナンバーがずらりと並ぶ。
そんななかで、1曲だけジョン・ルイスによるブルーズ「2度東、3度西(2 Degrees East-3 Degrees West)」がまた素晴らしい。タイトルはもちろん5人の出会いをかけたもの。
チコのトレードマークのようなティンパニのバックに乗って、テナーとピアノがユニゾンでテーマを奏で、そのままそれをバッキングにベースのソロが始まる。かっこいい!!ジム・ホールの渋いギター・ソロを挟んで、ビルのテナーがスタイリッシュに空間を埋めてゆく、そのバックのジョンの音数を抑えた簡素なバッキングも見事だ。 

もうひとつジャケットがまた素晴らしい。

ぼくは最近のヴィーナス・レコードのように、露骨に女性のヌードや下着姿をあしらったジャケットが好きではないが、こういう健康的なものには弱い。
中身を知らなくても思わずジャケ買いしてしまいそうな1枚です。


"GRAND ENCOUNTER / 2 EAST 3 WEST"
PACIFFIC JAZZ PJ-1217


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.