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2004/09/26(日)
スウィングガールズ
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矢口史靖は天才かもしれない。 そう思った。
山形弁が効いているのかもしれない。 東北だったらまだあんな純粋な高校生がいるかも知んない、と思わせてくれる。 『グレン・ミラー物語』のパロディとか、『ライト・スタッフ』ネタのまんまパクリとか、彼女たちがやってるのはジャズではないとか(笑)、いろいろつっこみどころはあっても、彼女たちの「なんかいぐね?いぐね?」というひと言で、もう笑って許せるみたいなところがある。
べつにたいしたドラマがあるわけではない。 彼女たちがビッグ・バンドを結成するきっかけも他愛もないものだし、最後のコンサートにしても、ふつうのシティ・ホールみたいなところで、先着順に出場できるイヴェントなのである。 (たとえば『ミュージック・オヴ・ハート』で、ハーレムの小学生たちが最後に上がるステージがカーネギー・ホールというのとはえらい違いだ!)
それなのに、楽しくて思いっきり笑わせてくれて、最後には「やっぱ音楽っていいよなあ」って思いながら映画館を出てくる。 …そんな映画である。
デューク・エリントンの「A列車で行こう」を初めとして、グレン・ミラー・オーケストラの「イン・ザ・ムード」、「ムーンライト・セレナーデ」、ベニイ・グッドマン・オーケストラの十八番「シング・シング・シング」など、だれもが知っているナンバーが次々に出てきて、しかも吹き替えなしで彼女たちが演奏しているのも小気味よい。
個人的には竹中直人扮する数学教師が『ファイヴ・スポットのエリック・ドルフィー』を熱く語るところが素敵だった(笑)。
2004年 東宝映画 120分 シネマスコープ・サイズ
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