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2005/05/14(土)
JAZZの愛聴盤-15
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ジョージ・ウォーリントン(p)は白人ながら、20歳のときに史上初のビバップ・コンボといわれるディジー・ガレスピー(tp)のクインテットのメンバーに抜擢されて一躍有名になった。その後チャーリー・パーカー(as)、ジェリー・マリガン(bs)、ライオネル・ハンプトン(vib)、クリフォード・ブラウン(tp)など、錚々たるメンバーと共演を重ね、1955年に自らのクインテットを結成してハード・バップ全盛期の人気バンドになった。 オリジナル・メンバーはウォーリントンのほかにドナルド・バード(tp)、ジャッキー・マクリーン(as)、ポール・チェンバーズ(b)、アート・テイラー(ds)という豪華な顔ぶれで、第1作『カフェ・ボヘミアのジョージ・ウォーリントン』はプログレッシヴという超マイナー・レーベルへの吹込みだったため、幻の名盤のなかでも最も手に入りにくい1枚とされていた(なんでも市場に出回ったのは数百枚だとか……)。 70年代にプレスティッジがこの音源を買い取ってからは手軽に聞くことができるようになったが、ぼくのお気に入りは『ザ・ニューヨーク・シーン』という57年の作品。
ちょうどジャズを聴き始めた1971年ごろに当時のヴィクター音楽産業からプレスティッジのアルバムが1,100円という低価格で50枚(だったか100枚だったか)発売されて、ガイド・ブックを頼りに購入した1枚が、このアルバムだった。 バード以外はアルト・サックスにフィル・ウッズ、ベースがテデイ・コティック、ドラムスがニック・スタビュラスという顔ぶれで、第1作に比べると明らかに地味なメンツになっているが、演奏は大変よい。
1曲目はモーズ・アリスンの「In Salah」という曲だが、ちょっと「クレオパトラの夢」を思わせるエキゾティックなナンバーで、出だしからグイグイ引きこまれるような演奏だ。スタンダード・ナンバー「Indian Summer」や、バード作のブルーズ「'Dis Mornin'」もファンキーでかっこいいが、A面3曲目にトリオで演奏される「Graduation Day」が抒情味あふれるナンバーで余韻が素晴らしい。
GEORGE WALLINGTON "The NEW YORK SCENE" new jazz 8207
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