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2002/10/10(木)
sedeA:海にて 10月1日
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雨戸を開くと、秋桜の花が揺れている。花の数も増えて、塀際に沿って植えたケイトウを従えて、秋を唄っている。蜻蛉の色もずいぶん深くて、キュっとしまった風と遊んでいる。
朝早く目が醒めて、バイクで少し走った。家からR134へ出て江ノ島まではほんの5分で着く。潮の香りを突っ切って走るバイクは、父が残した。春まで置きっぱなしだったので、キャブがいかれて動かなくなっていたのだけれど、丁寧に分解して、綺麗に洗浄して組みなおした後、キック一発で懐かしい音を立ててくれて、とても嬉しかったことを思い出す。そして私は免許を取った。
鵠沼のマックでホットケーキセットを買って、砂浜で食べる。夏のざわめきはもう遠くて、天気予報も聞かずに、波を目当てにやってきた遠来のサーファー達は、朝凪の海を前に、海に毒づきながら、もう帰り支度を始めていた。南から一瞬強い風が吹いて、最後の一口は砂の味がした。その味は、なんだかお店でお客様をお送りする、最後のキッスにも似ている。
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