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2004/11/15(月)
side A: 鍵 あるいは 導きの光
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理石の壁に影が伸びる。
後ろへ戻る以外に、
入り口は一つしか見えなくて
一つだけの鍵をポケットの中で
確かめながらそのまま進む。
並ぶドアは導きの光の狭間に沈んで、
開く向こうにあるのは、
試練なのか祝祭なのかは
窺い知ることは出来ない。
その一つに鍵を差し込んでみると、
ドアは開いた。
暗闇の中で、灯りを探す。
淡い灯りしか、探せなくて
半分はまるで、何かを阻む
格子のようだとしても
何も見えないよりは、少しはいい。
見えれば、必ず、何か、思える。
その鍵で、他のドアが開いたのかどうかは
確かめる術は無いのだけれど。
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