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2005/03/15(火) side B : あ の こ ろ あるいは 17才の写真
まだ、ぎこちない私がいる。

でも、やっと、お客さんに自分の意思は、伝えられるようになり、ソープ嬢として落ち着いてきたころの写真だ。

私が最初に経験した風俗は、「高級エスコートクラブ」と言ううたい文句のデートクラブで、まだなんにも判らなかった私は、何度も交わっている時に写真を撮られた。

うまく断れなかったし、断った後のお客さんの吐き捨てる言葉を受けることのほうが怖くて、顔だけは写らないように、必死で隠しはしたけれど、その頃のカラダは、今も何人かの人が持っている。

ソープで働くようになってから少し経って、ソープ嬢としての私を作ってくれた店の先輩に巡り合い、その人のおかげで、私はソープ嬢としての暮らしが立つようになった。

それからの私は、写真もビデオも信頼できるお客さんには許している。でも、撮影したマスターは一度預かって、顔が判る物はすべて加工したり、削除したりしてからお客さんに渡す。

前にこの事を日記に書いたとき、同じ仕事の女の子からメールをもらった。

「お客さんの顔が写っている写真を預かることを、お客さんは嫌がらないの?」

そう言えば、私の手元には、お客さんの顔が、カラダが、そして性器が写っている、マスターテープが、写真媒体が、かなりの数ある。そして、外出や貸切をするお客さんの免許証記載の住所は全員知っているのだし、職場も職位もほとんど知っている。

それまで、考えたことも無かったけど、それがお客さんにとって、危ない事だとの指摘は判る。

私は何人かのお客さんに尋ねてみた。

「じゃ、眠っているとき俺が首を絞めたらどうする?」
「睡眠薬を飲ませて、好き勝手したらどうする?やりたいけど(笑)」
「無理心中、しようとしたらどうする?」

私は答える。
「諦める。私が見る目が無かったってことだから」
お客さん達は言う
「同じだよ。それだけはやらないと思っているから」

それを信頼と呼ぶかどうかはわからない。でも、そんな流れがお互いにあって、いまの私は成り立っているのだなって思う。

写真の中の17才の私は、まだ脂肪が薄くて、腰のくびれも女になっていない。こんなカラダで、私は20才だと言い張って、でも、「それだけはやらない」奴だとは思われていた。

ありがとう。

そんな奴だと思ってくれて。そしてそんな奴にしてくれた先輩。

そんなカラダで、稼いでくれていた、17才の私。

ありがとう。




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