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2004年5月
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2004/05/15(土) side A :  あさがお   
南の垣根沿いには、朝顔の双葉が並んでいる。もう少し、気温が高くなってから、種は蒔こうと思っていたので、並んでいる双葉は、よく見ると、とんがった西洋朝顔だったり、丸っこい和種だったり、厚みのある琉球朝顔だったりと、ばらばらの種類がばらばらの位置で、去年落ちた種が自分で芽を出してきたのだってわかる。

去年の夏の日々は、私は眠れず、泣いている日も多くて、通院していた病院の、異なった診療科へ紹介状を書いてもらい治療も受けていた。せめて眠るためのベンザリンやユーロジンから始まって、レンドルミンからハルシオンの処方を受け、病名がついてパキシルまでは行った。*橋駅から病院までの坂が登れなくて、泣きながら病院へ電話して、迎えに来てもらったのも、二度や三度ではない。

笑顔でお客さんを送り出した後で、膝が震えて倒れこみ、ボーイさんを慌てさせたり、来店待ちの控え室で「噂の東京マガジン」を見ていて、顔も心も笑っているのに、涙をポロポロ落として、女の子達にも驚かれたりした。

怖かった。

父の死に顔が、そして私達が見えていない母の姿が、何度も何度も夢に出てきて、父の娘で母の娘であることと、結びついてしまう。そうなってしまった私の夢も何度もみた。なんとなく、もうそっちの方がいいや、って思わなかったと言えば嘘になる。

でも、仕事は一日も休まなかった。

治療が的確だったのか、秋の始めにこの日記を書き始めたのが良かったのか、症状は軽くなり、少なくても自分の決断で、いつもの暮らしに小休止を取って、父の走った道を辿る旅に出た。

決めた時は2-3日の予定だったのだけれど、バイクをフェリーで送り、予定より長くなったその旅で、少しだけ私は少女のシッポを捨ててきた。

夏の陽射しの中で、朝顔はつるを伸ばし、沢山の花を咲かせ、そして秋の風の中で枯れていった。いつもの年なら、ご近所にお分けできるほど採っていた種を、去年は少ししか残すことができなかった。

今年の朝顔棚の花の色は想像もつかない。でも、きっとキレイに咲く気がする。そして、いつものように、種類別に、色別に、今年は種を残しておこう。

来年だって、再来年だって、その次の年だって、ここで朝顔を育て続けるんだから。


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