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2005/04/16(土)
side A : チューリップ たち (4)
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チューリップは、絵本やぬり絵のチューリップの形なんだと思い込んでいた。
少しだけ違っていたとしても、それは少しで、チューリップはチューリップだと思っていた。
小学校に通うようになってから、朝、お家を出て、終って帰る。
あの年までは、たまに、水やりのお手伝いをするのも、お陽さまが傾いた後で、お花を私が育てるようになり、チューリップはお陽さまを見上げて開き、そして夜は閉じて眠ることを初めて知った。
「これは、なんて言う花なの?」
お庭を覗き込む散歩中の、年配のご夫婦に声をかけられる。
名前を伝えると、ちょっと驚いて、しゃがみこんで、横からも眺める。
よかったね。
きっと、きみの仲間が、次の年は違う庭にも咲く。
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