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2004/02/19(木)
sideA:洗濯日和
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ベランダから富士山がきれいに見える。朝早く目が覚めて、まだ誰も起きていなかったので、久しぶりに煮干で出汁をとる。父が好きだった香りが、キッチンに満ちて、音のしないように雨戸を開くと随分北向きへの陰の短くなった朝日が差し込んできた。
庭では椿が少しづつ色を落としていて、一昨日吹いた強い風で、いくつかは花が落ちている。水仙はもう新しい花芽は無く、色を表し始めたチューリップと、早咲きのデュラスが春のような風と陽射しの中でゆっくり揺れていた。
ホテルで買ってきたお味噌は少し甘口で、今日は豆腐とワカメっていう一番ありがちな具にしてみる。時間を見計らって干物を焼き始めると、おばぁちゃんが起きてきて、「ゆっくりしなさいよ」って言ってくれる。弟と妹も食卓につく。ブラジャーを着けていない妹の乳房が、パジャマのボタンの間から見えてドキリとした。乳首の色は淡く、乳房はもう充分に女で、私が今の暮らしを始めた頃より豊かだ。
学校へ送り出し、おばぁちゃんではもう手に余る、布団を干しシーツを洗う。少し花粉症のある妹の布団は、二階のガラス窓越しに干しておく。パンパンと叩いてみると若い女の子の甘い香りがして、私が自分を売った年齢に、妹が近づいていることに少し困惑する心がある。
ベランダの、道から見えるフラワーボックスには、冬を越えた桜草とノースポールが寄せ植えされている。桜草にはもう新しい花芽はなくて、暖かい光にどんどん育ってきているノースポールが、フラワーボックス全体を覆おうとしている。
籐椅子にすわり、紅茶を入れて本を読む。少しうたた寝をした。ゆったりした時間の中で、夢を見て、夢が覚め、苦笑いをした。
今日は3時からラス前まで働く。どうぞいい日でありますように。行って来ます。
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