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2004/05/22(土) side A :   名刺   
めずらしくカウンターは空いていて、ちょうど常連のお客さんが抜いたばかりのシャンパンで、ミモザを御馳走になる。

顔見知りだけど軽い挨拶はしても干渉はしない、その距離があるのが、このカウンターだ。

不似合いな着信音が、お客さんの内ポケットで鳴って、「悪い悪い」と片手を顔の前で振りながら、ドアを開いて外に出た。

何度かその店で会ったことのある、シャンパンを御馳走してくれた常連さんは、肩をすぼめて、ニコリと笑い、マスターにウインクをして、名刺を私に渡す。

「電話してね」

私も、二コリと笑って両手で受けて、頭の上まで上げて、最敬礼して、見ないまんまでお返しした。

「やるね」

今度はニヤリと笑った常連さんは、マスターにチェックを頼んで、でも一万円札を二枚、カウンターに置いてドアに手を掛ける。

「どこか、違う場所で会える日を。」

「縁があれば」

入れ替わりに汗を拭きながらお客さんが入ってきて、「あれ?**さん帰っちゃったの?」と間延びした声で尋ねる。

目が合ってしまって、マスターと私はちょっとふきだす。

バーの夜は更けていく。


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