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2004/10/24(日)
side A: おわかれのちょっとまえ
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陽の落ちた帰り道で、来るときにはそのままだった、ジャケットのジッパーを上げてみる。
お客さんたちの上着をハンガーにかけるとき、襟のところに洗濯ネームが残っていたりして、窓も無い個室の中でも、そんな時に季節を感じる。
いつもより少しは早い帰宅だけれど、門灯の光だけが照らすお庭には、なぜだか夏のお陽さまが大好きな花たちが咲いている。
「どうしたの?」
風が吹いて、花たちは揺れる。
青い月の光が、一瞬花たちを包む。
薄くなった金木犀の香りと一緒に、もう色付いた木の葉が足元で遊んでいた。
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![](/user/reversible/img/2004_10/24.jpg) |
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