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2004/05/26(水)
side A : 貝殻草
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花は全体にカサカサしていて、花弁を開いた後も、夜がくるとまた閉じる。 生を終えると、花は落ちるのではなく、指で触るだけで、粉々に砕けていく。 花なのに、なんだか無機質な感じがして、どこか奇妙で、この二年は、生えるに任せているだけだった。
花の名を知ったのは、安部公房の「箱男」でだった。
いったいどんな花だろうと、調べてみたのだけれど、その時は結局わからなくて、100円ショップで、見つけた種には、「麦藁菊(別名貝殻草)/キク科、ヘリクリサム」と書いてあった。それをお庭に蒔くと、キレイではあるのだけれど、奇妙な花が咲いた。
今日、今年最初の花が咲いた。貝殻のように閉じた花が、朝日の中で開いていく。その花は、とても瑞々しくて、そのことを、私は、初めて知った。
奇妙だとばかり思っていて、ゴメン。
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![](/user/reversible/img/2004_5/26.jpg) |
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