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2004/08/29(日)
side B: 鏡
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絡み合うカラダが映ってる。
確かめながら、お客さんは体の向きを変えて、 自分の目からは見ることの出来ない部分を見ようとし、 私はちょっと体が痛い。
「見てよ、こんなだよ」
上半身を少し起こすと、 確かにお客さんの一部が私に刺さっているのが映ってる。 そして、深く刺さり、一度抜けて、また刺さっていく。
数え切れないくらい、その光景は見てきたし、 その時の私の顔は、お客さんが望む通りの顔をしている。
それが、そのまま映っている。
仕事が終わり、メイクも全部落とし、化粧水だけをはたいて、髪をくくり もういちど、映してみる。
大丈夫、大丈夫。
まだ、ちゃんと私だよね。
でも。
そんな時の鏡は、自分に都合の良いように、ちょっと歪んでいるかも知れない。
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