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2005/04/05(火)
side A : ありふれた風景 あるいは
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去年、クリスマス飾りを少しだけした頃、最初にみつけたパンジーは、ここに来た。
チューリップの球根が、もう先に春を想って眠っているハンガー鉢に、白と赤は、こんな季節に似合うなって思って、今年もパンジーを植えた。
雪に埋もれた次の日の元旦にも、水引を結んだ小さな門松ともよく似合っていたし、玄関の横の、真冬は少し陽当りが悪くなる場所なのに、ずっと花を付け続けてくれて、でも、いつしか、ありふれた風景になってゆく。
チューリップの、芽が伸びて、形を変えて私は気付く。
きれいだよね、がんばってくれていたよね。
いっぱい咲く花達も景色になって、ひとつひとつを、思うことが出来なかった。
ちゃんと見たい、ちゃんと見よう。
きっと私が、お花だったら、花びらだったら、せめて、ひとりくらいの一瞬の記憶には、残っていたいだろうって、思うから。
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![](/user/reversible/img/2005_4/5.jpg) |
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