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2004/08/05(木)
side A: 似ている あるいは パンドラの箱
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幼い頃は、「ちっちゃいひまわりさん」と呼んでいた、小ぶりの花が満開を迎える。もちろん、今は、ルドベキアという名前を知っている。
妹や弟では、ちょっと手を触れる事が出来ない倉庫奥に、そして私の部屋のロフトにはまだ開いていないダンボールがいくつもある。
父が逝き、母がお家に居なくなってから、一人で整理する封のかかった荷物からは、私の知らなかった、いろんな事が出てきてしまう。
途中で止めようと思ったことが何度もある。何もみないで、どんどん破いて、ゴミ袋に捨ててしまおうと思ったことも何度もある。
母のと判る荷物には、一切手をつけてはいないけど、父の残した言葉から、母を知ることもある。
学生時代に知り合った母と父は恋に落ち、愛し合うようになった。
そして、結婚前に母は妊娠した。
最初の困惑と、すこしずつ固まっていく決心と、決心してからの新しい命への期待と、いとしさ、そして一緒に暮らす楽しい日々への想い達が、言葉として残っている。
名前ももう、男の子と女の子の名前が二つ決まっていた。
その名前は、私の名前なのだけど、その名前を考えてもらった、その命は、生まれる前に消えた。
私は似ているだろうか、その生まれなかったおねぇさんに。
そして、父と母が想った、その名前の娘と楽しく過ごす日を、少しは私とで、過ごすことはできたのだろうか。
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![](/user/reversible/img/2004_8/5.jpg) |
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