|
2004/07/08(木)
side : A 出逢う日
|
|
|
駅のホームに並ぶ人たちは、みんなハンカチを握っている。少し前なら、混んだ電車の開くドアからは、ムッとした空気が吹き出していたけれど、今日はその風に救われる。
前から判っていた休講があったので、朝の通勤時間の電車に乗ってお店へ向かい、外出で仕事をした。またまたホテルは、あのホテルで、お客さんは炉系好きの人だった。
白いコットンのワンピースと、お揃いの帽子をもらう。もちろんそれはプレイの衣装でもあるのだけれど。
髪をくくって、衣装を着けて、鏡の前に立ったとき、なんだか前に、こんなシーンを見た気がする。
4本分のお仕事が終わり、どうせ汗をかくからとワンピースのままでホテルの玄関の自動ドアを抜けると、一瞬で肌は湿る。何気なく振り返った、ガラスに映る私を見て、記憶が繋がる。
下手だったけど絵を画くのが好きだった。
勝手なお話を作って、それに絵を添えてみるのも好きだった。
純粋な少女をイメージしたその絵の服装を、ソープ嬢になった私がしているなんて、その絵を画いた15の私は、もちろん想像さえしてはいなかったのだけれど。
|
|
|