最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2004年10月
前の月 次の月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
最新の絵日記ダイジェスト
2006/06/04 side A: ひさしぶり
2005/09/17 side A : ひまわり
2005/09/16 side A : 空 
2005/09/15 side A : そして
2005/05/23 side A : レースフラワー

直接移動: 20066 月  20059 5 4 3 2 1 月  200412 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 月  200311 10 9 月  200212 10 8 7 6 月 

2004/10/09(土) side A:    さ よ な ら
雨の音で目を覚ます。時計を見ると、まだ五時前で外は暗い。

寝ぼけ眼でスイッチを入れるTVのニュースが、台風はこちらに向かっているって言う。

レインウェアの上だけ着て、まだ咲き続けているひまわりの周りに、支柱を立てて紐でくくる。この前の強い風までは、まだみんな元気だったので、まとめてくくっておけば、大丈夫だった。

でも、冷たい風に吹かれてから、蕾をまだ付けたままなのに、ちょっとした風でも倒れてしまう株もあって、真夏の元気はもうない。

連休のすぐ後に種を撒き、芽を出したひまわり達は、梅雨の終わりにはもう咲いてくれて、4ヶ月近くお庭を明るく彩ってくれた。

お家の中に入れられる、鉢やプランターは全部入れて、お庭のみんなに「がんばってね」って言って、少し強くなってきた雨の中で、私は仕事に向かう。

こんな天気の中で、足もズボンもずぶ濡れにしながらも、予約のお客さんは全員来てくれて、個室に持ち込んだアイロンと、用意しておいた靴下が活躍してくれる。このお店に移ってきてから、マネジャーにお願いして揃えてもらった靴用のドライヤーも、フル稼働する。

仕事が終わってお家について、お庭にまわると、ひまわりは全部倒れていた。倒れる前に、よほど風に弄られたのか、茎も枝もほとんど裂けていて、雨にも打たれて、もう咲くことはないことが一目でわかる。

「長いことありがとう。さよなら。」私は小さく手を合わせる。

「ひまわり、全部倒れてしまいました。蕾が大丈夫そうなのだけ、水盆に入れておきました。」

妹の字で、書置きがある。

おうちに入れてもらった幾つかの蕾は、蛍光灯の光の中で花びらを開き始めていた。


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.