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最新の絵日記ダイジェスト
2006/06/04 side A: ひさしぶり
2005/09/17 side A : ひまわり
2005/09/16 side A : 空 
2005/09/15 side A : そして
2005/05/23 side A : レースフラワー

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2004/10/24(日) side A:   おわかれのちょっとまえ 
陽の落ちた帰り道で、来るときにはそのままだった、ジャケットのジッパーを上げてみる。

お客さんたちの上着をハンガーにかけるとき、襟のところに洗濯ネームが残っていたりして、窓も無い個室の中でも、そんな時に季節を感じる。

いつもより少しは早い帰宅だけれど、門灯の光だけが照らすお庭には、なぜだか夏のお陽さまが大好きな花たちが咲いている。

「どうしたの?」

風が吹いて、花たちは揺れる。

青い月の光が、一瞬花たちを包む。

薄くなった金木犀の香りと一緒に、もう色付いた木の葉が足元で遊んでいた。

2004/10/22(金) side A:     名刺 あるいは 未来 
「ちょっと待っててね。」

腰を落ち着ける間もなく、携帯で話すために一度BARから出ていたお客さんは、ドアをちょっとだけ開けて、片手で私を拝む。そして、表通りへ駆けていく。

ほんの最近、私はこのお客さんが大学の先輩だと知った。キャンパスは違うけど。でも、私が卒業出来たら、同じ同窓会名簿に名前が載る。その事に気付いた時、少し怖くなった。

「何にしましょうか?」

「もう遠い夏の味を」

少し喉が渇いていた私はお願いする。

マリブとラムとパイナップルジュースが用意され、あっと言う間に交じり合って、「ピナコラーダ」に変わる。口をつけると真っ青な海と空が広がってゆく。

私の手元には、仕事で貰ったたくさんの名刺がある。外出や貸切をしてくれたお客さんのは、ほぼすべてあるし、お店で何度か指名してもらったお客さんのもあって、名刺ホルダーはもう3冊になる。

その中には、私が志望したかった会社や、官公庁がいくつもあって、それは私の将来の選択肢からは、消していく。

勿論、入社後に会社で出くわしたとしても、声高に私がソープ嬢であったことを吹聴するようなお客さんはいないと思う。

でも、その人が可愛がっている部下の男性社員が、私と恋愛関係になったりしたときに、一言も言わずに、私をみてくれるかと言えば、それは難しい。

そして、もし私が直属の部下として配属されることを内示されたとき、普通の社員を扱うように対処する負担を、お世話になったお客さんに強いるわけにもいかない。

この仕事を始めた頃には、そんなリスクにはまったく思いは及んでいなくて、もうすぐ半分を迎える大学生活の先を思うと、言葉にならない感情はある。

「遅いですね」
「えっ?あぁ、遅いですね、**さん。じゃ、もう一杯お任せでお願いします。あっ、じゃ、私の未来に。」

にっこり笑って、ウォッカとクアントローとライムとグラベリージュースが用意される。

「未来に」

マスターの声がして、スッと赤いキレイなカクテルが出来上がる。

そうだよね。今出来ることをちゃんとやろう。やったうえで、だめだったら諦めよう。

そのカクテルは「コスモポリタン」と言う。

2004/10/21(木) side A:    し あ わ せ の風景
あの日、模擬店に入ってコーヒーを頼み、座ったテーブルには英字新聞がクロス代わりにかけてある。

ふと目に入ったイラストは、何かの広告のようなのだけれど、言葉の所は折り込んであって見えない。

金魚には見えない形をした二匹の魚は、無表情なんだけど幸せな風景に見える。

見詰め合っているわけではない。

何かを話しているわけでもない。

ちっちゃな水槽に向かい合って、ただただ一緒にいるように見える。

まだ三人で暮らしていたころ、父と母と私が、別々に本を読んでいる風景を思い出す。

ほとんど家具も無く、あるのは大切な本だけで、背にはクッションも付いていない座椅子に座った父と、壁を背に、自分で作ったお座布団に座って、足を投げ出す母との間の床に、広げた絵本を私は読んでいた。

そんな、みんなで一緒に過ごす、やわらかな時間たちが好きだった。

ちょっと冗談を言い合っていた余韻を引きながら、コーヒーが運ばれてくる。その女の子の背中に、新しい冗談が飛んできて、思わず振り返るその子の手の支えるお盆からは、コーヒーが滑り落ち、テーブルにこぼれてしまう。

「あ、ごめんなさい、ごめんなさい。すぐ新しいの、持ってくるからあちらの席で。」

席を立つとき、もうあのイラストはくしゃくしゃに丸めらて、捨てられるところだった。

あの風景は、もうない。

2004/10/20(水) side A:    台風の日
見上げる空には、もう台風の色がある。

時々吹く風に、一昨日までのお陽さまに誘われて、やっと咲いた青い朝顔は、灰色の雲の下で花びらを裂かれてしまっていた。

ちっちゃかった頃、近づく台風にちょっとだけワクワクしなかったと言えば嘘になる。

朝は母に起こされて、お味噌汁とコーヒーの香りを感じながら、寝ぼけまなこでシャクシャク歯磨きをし、「おはよう!」って言えば、笑顔の両親から「おはよう!」ってお返事が返ってきて、よいしょって、子供用の椅子に昇れば、そこには美味しい朝ごはんが待っていた。

そんな楽しい毎日に、もちろん不満があったわけでは無いけれど、いつもと違う日を連れてくる台風は、遠足や運動会や、うっすら積もる雪化粧の日と同じように思っていたような気もする。

少しだけ憶えている幼い頃の台風の日は、気圧の変化で喘息の発作が始まったりもしたのだけれど、いつもは帰りの遅い父が早くから家にいて、雨戸を閉め切って、いつもはベランダに並んでいるお花たちに囲まれて、風と雨の音に肩をすくめながらも、ロウソクも用意された夕ご飯は、とても楽しかった。

父と母と一緒だと、外階段の古いアパートでも、少しギシギシはいっていたけれど、雨も風も跳ね返してくれる、狭くてもとっても安心できる場所だったことを思い出す。

そして、そんな日は3人で手をつないで並んで眠った。

父が死に、母が心を病んだとき、私は台風の日の街に投げ出されたような気がした。でも振り返ると、老いた祖母がいて、幼い妹がいて弟がいた。

私にはみんなの手をとって、安心させられるだけの力は無くて、その日までみんなで暮らしていた、雨を凌ぎ、風を遮ってくれたお家だけは無くしてはいけないって、思い込んだ気もする。

16歳になるまで、台風は外の事で、お家にいるだけで守ってもらえた。そして安心でいられた。

私は安心をみんなにあげることはできない。

行って来るね、学校とお仕事に。今日も宜しくお願いします。

お家の「まかせとけっ!」ってお返事が聞こえたような気もした。

2004/10/18(月) side A:    ちょっとだけ季節はずれ
青空が二日続く。

今年はやっぱり季節が変で、パンジーは夏を越したし、西のお庭の朝顔は、二度目の満開を迎えている。

枯れかけていたガザニアは梅雨のような長雨で、ノースポールは吹き続けた冷たい風でつぼみを付けて、お陽さまの光で花になる。

一緒に咲くのは初めてだね。ありがとう。

ちょっとだけ季節はずれだけど、真夏から真冬までの花の咲くお庭で、久しぶりに見かけた、しじみ蝶が遊んでいた。

2004/10/16(土) side A:   夕焼けができるまで
晴天の約束は、今日も叶わない。

重い雲は一日居座って、冬至まで2ヶ月ちょっとの空は、5時を過ぎると暗くなる。

どうしても断れない仕事があって、頭を下げて学校の行事を抜ける。もちろん、仕事だとは言えない。

時間を割くために、今日はバイクで来ていたので、駐車場に向かう。

振り返る空の低い雲は流れて消えて、夕焼けが始まる。

見ていた。ずっと見ていた。

西のかなたに夕焼けは消えて、夜が私を包み、そして急いで仕事へ向かった。

2004/10/11(月) side A:   エリカ  あるいは 思い出の森
今日も空が低い。そして時々泣いている。

そんな日のエリカはいつもより淡い。こんな、小さなエリカを母は大好きで、私には物語の大切な一部だった。

小さくても、それは木の形をしていて、そして小さな花が咲く。その周りに、お友達だったお人形や動物たちを並べると、そこは花盛りの森になる。

もう少し寒くなってからは、クリスマスにはリボンを結んでもらうゴールデンクレストも加わって、アパートのベランダに置かれたその頃は、とっても大きく思えたお菓子の缶の上に、砂で小さな丘を造り、自分で洗うんだよって念を押された、レゴで組み立てたお家も置いて、私の森は出来上がる。

レゴで組み立てるのは、トンガリお屋根のみんなで住みたいカワイイお家だったり、ヒースが揺れる、アンの暮らすあの島のお家だったり、ブロックの数が全然足りなくて、映画のセットみたいに、前からだけはそう見える、絵本に出てきたお城だったりもした。

そして、たくさんたくさん勝手なお話を作り、いつか、遠い未来を思い、それはお気に入りの遊びになった。

満開のエリカの根元で、お人形達にはいつも仲のいいお友達がいて、動物達と楽しく遊んだり、まだ言葉さえ解っていないのに、恋人同士だってことでお話をしたり、お話の中でどんどん盛り上がっていって、結婚式も挙げたことがある。

何度かは、悲しい漫画やお話を読んだあと、主人公のお人形はその森の中で死んでしまい、淡い花の咲く木の根元で、お葬式をしたこともあったことも思い出す。

少しずつ私はその森のお話の中で大きくなり、女の子になり、少女になり、おねぇさんになっておかぁさんにもなったっけ。

寒い風が吹き始める頃、エリカの花は褪せてきて、ベランダでも遊べない季節が来る。その年の思い出の森は、おしまいになって、でも来年も遊ぼうって、思っていた。

その頃の視線の高さから、写真を撮ってみた。

エリカはやっぱり木みたいに見えて、思い出の森に帰りたくなる。

思い出の森で夢見た明日たち、すこしでいいから、叶ってね。いつかは。

2004/10/10(日) side A:    く ら い そ ら
台風一過の予報は外れて、細い雨が降る。

離れてしまった枝や葉を集め、倒れてしまった花たちは、一株一株確かめながら、副木をしたりテープを巻いたりする。一番奥の片隅で、ちっちゃな薔薇が咲き始めている。

眠りにつく花たちと、今から蕾をつける花たちの、居場所を少し変えたりしてから、お家に入れておいたみんなを、外に出す。

駅に向かう道のあちこちには、昨日の風で役目を終わってしまった木や花や、看板やポスターが、まだそのままで濡れている。

身体の調子が、少し悪い。

最近始まった訳ではないけれど、6月から診療科目は一つ増えて、9月の学校が始まる前には、少し入院していた。どうしても、行かなければならない仕事だけは、病院には学校の行事だと嘘をついて、行った。

色んなことを考える。

心を病んでしまった頃も、なんとか惰性と慣性で、表面上の大きな暮らしの変化は無かったし、心がどんなに血を流したって、カラダだって頑張ってくれていて、先にゴールは見えていた。遠くても。

今日ぐらい、晴れてくれたっていいじゃない。嵐の後ぐらいは。

2004/10/09(土) side A:    さ よ な ら
雨の音で目を覚ます。時計を見ると、まだ五時前で外は暗い。

寝ぼけ眼でスイッチを入れるTVのニュースが、台風はこちらに向かっているって言う。

レインウェアの上だけ着て、まだ咲き続けているひまわりの周りに、支柱を立てて紐でくくる。この前の強い風までは、まだみんな元気だったので、まとめてくくっておけば、大丈夫だった。

でも、冷たい風に吹かれてから、蕾をまだ付けたままなのに、ちょっとした風でも倒れてしまう株もあって、真夏の元気はもうない。

連休のすぐ後に種を撒き、芽を出したひまわり達は、梅雨の終わりにはもう咲いてくれて、4ヶ月近くお庭を明るく彩ってくれた。

お家の中に入れられる、鉢やプランターは全部入れて、お庭のみんなに「がんばってね」って言って、少し強くなってきた雨の中で、私は仕事に向かう。

こんな天気の中で、足もズボンもずぶ濡れにしながらも、予約のお客さんは全員来てくれて、個室に持ち込んだアイロンと、用意しておいた靴下が活躍してくれる。このお店に移ってきてから、マネジャーにお願いして揃えてもらった靴用のドライヤーも、フル稼働する。

仕事が終わってお家について、お庭にまわると、ひまわりは全部倒れていた。倒れる前に、よほど風に弄られたのか、茎も枝もほとんど裂けていて、雨にも打たれて、もう咲くことはないことが一目でわかる。

「長いことありがとう。さよなら。」私は小さく手を合わせる。

「ひまわり、全部倒れてしまいました。蕾が大丈夫そうなのだけ、水盆に入れておきました。」

妹の字で、書置きがある。

おうちに入れてもらった幾つかの蕾は、蛍光灯の光の中で花びらを開き始めていた。

2004/10/08(金) side B:   窓ふたたび あるいは 見つからないピース 
帆の型をしたホテルの端っこは、隣のホテルと驚くほど近い。この前、ここにきた時は、正面で観覧車が回っていた。

灯りの燈る窓からは、部屋の様子がはっきり見える。始めたばかりのジグソーパズルのように、窓の灯りのピースが不規則に並ぶ。

妙な形でハダカで交わる姿の隣では、小さな子供達が、遊園地を指差してはしゃいでいて、両親はその後ろの椅子に座っている。

ありがちに窓に手をつく女の子に、後ろから刺さって激しく動いていたり、ちょっと下の階になると、老夫婦がルームサービスを楽しむ隣では、ベッドに横たわる太った男の人のの上で大きく動く女の子も見える。

「見えるもんだなぁ」

一度終わってシャワーを浴びて、裸で窓際のソファーに座り、ビールを飲んでいるお客さんのペニスが、少しずつ硬くなっていく。そして私は呼ばれる。

深くなっていく夜の中、窓の灯りが増えていく。そして、カーテンが引かれて、色は淡くなり、そして灯りが落ちる。

3度目が終わって、そのまま眠り込むお客さんに毛布をかけたとき、窓のジグソーパズルは、もう全部ピースが揃っていた。

2004/10/05(火) side A:    もうすこし そして これから
この秋初めての、降り続いた冷たい雨はあがって、待ちかねた花たちが開きはじめる。

開けずに、眠ってしまったつぼみ達や、開きかけて、そのまま落ちてしまった花たちを、ひとつひとつ指でつまんで、集めて埋める。

少しずつ小さくなっていく夏の花たちと、はじめから少し儚い秋の花たちが、並んで揺れる。

もうすこし、がんばってね。

そしてこれから、がんばろうね。

すーっと飛んでゆく蜻蛉は、茜の色をしていた。

2004/10/03(日) side A:    秋雨 
カーテンを開くと、窓はくもっている。そして、雲は厚い。

自動設定にしてつけっぱなしにしていたエアコンから、少し暖かい風が流れてきて、赤いランプも点っている。そしてすぐにスイッチをオフにする。

指でガラスをなぞって見ると、ツーっと水玉になって落ちていき、水玉の軌跡のところだけが、透明に戻る。

発作が少なくなって来た頃から、いい子が好きな私は、学校でも手が掛らない小学生で、窓側の一番後ろの席が、定位置になっていた。級友達が、自信を持たせるために先生がする質問に、勢い込んで手を上げる時には手を挙げないで、そして、習熟度を測るために、たまに投げられる、誰も答えられない質問に、その席から手を上げて指名され、振り返るみんなの視線の中で、ゆっくり正答を返すのが楽しみな、今思えばかなり性格の曲がった子供でもあった。

父が逝った年、妹は、難関の一貫校を目指していて、合格圏内にあることで、小学校でも、塾でも期待を集めていた。

成績が良いことも自信の一つだった私にも、妹の成績の良さや、私への質問の的確さ、そして受験に対するだけでは無い、知的な吸収力には、到底及ばない感覚はあって、正直に言えば嫉妬はあったし、その差を、病気のせいにして、自分自身を納得させていたところもあったことを思い出す。

父の死と、母の入院から始まった生活の激変で、妹は受験を断念し、と言うよりも、高額な学費の掛るその学校への進学は、どう考えても、そんな話をする状態では無くなって、妹も言い出せずに立ち消えたと言うほうが実態に近いと思う。そして、弟は私よりは成績は良いけれど、妹には遠く及ばなくて、受験は高校からしか考えていない。

母の病気のこともあり、今の妹には将来の目標がある。

それを目指すには、膨大な時間とお金が掛ることを妹は知っていて、どの学校を目指せばどのくらいの費用が掛り、それにはどのくらいの学力が必要であるかも細かく調べていることを、私は知っている。

妹が過ごしたこの4年超の時間を、私に置き換えると、その年齢の私は、元気になってきた身体が嬉しくて、海で遊び、それなりに勉強をし、でも将来のために努力していたかと言うと、それは無くて、父と母の庇護の下で、普通の子供として過ごすことが出来た。

妹は、激変する家庭環境の中でも表面的には揺れる事は少なく、一時は、私の暮らしを訝しんだりもしたのだけれど、それが、今の家族の暮らしに必要であることに気付いてからは、もう詮索をすることも無い。

そして、自分の将来と目標に必要な事を中心に据えながら、学校生活を少しだけ楽しむ暮らしをおくってきた。

私は、妹の聡明さに救われ、感謝し、少し畏怖する。

その頃から私と妹の間には、一枚くもったガラスを挟んだような、感覚はある。


あの頃、一番先生の目の届かないその席で、くもったガラスで遊んでいた。

最初は下手な絵をいくつか書いて、その少し上を指でなぞると、ツーっと落ちていく水玉で、崩れていく絵を見ているのが好きだった。

出来た水玉の道に、また水玉を誘導して、ガラスは上から少しずつ透明になる。透明になった、窓の向こうには、見慣れた校庭や体育館が見える。その風景と、水玉の道が並ぶ、曇って霞んだ風景とを、視点の高さを変えて、飽きずに眺めていた。

不規則に並んだ水玉の道を、掌でパーっとこすると、それまでの風景は無くなって、ありのままのそこにあるものが見えるようになる。

その風景には、細い秋雨が、いつも降っていたような気がした。



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