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最新の絵日記ダイジェスト
2006/06/04 side A: ひさしぶり
2005/09/17 side A : ひまわり
2005/09/16 side A : 空 
2005/09/15 side A : そして
2005/05/23 side A : レースフラワー

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2005/02/28(月) sideB: シュプール あるいは 軌跡
7時過ぎに、性器をいじられる感触に目が覚めて、お客さんとまた交わる。

冷やしておいたジョッキに細かい泡を立てて私が注いだビールを、一息に飲み干してから、「一眠りするから、一本滑ってこいよ」と言われる。時間は9時を過ぎていた。

ゴンドラで、若い男の子二人と一緒になる。

最初は、二人だけで会話をしていて、そのうち話題は、私からも笑いを取ろうとした話になり、カワイクなって、クスッと応えてみると、色々話しかけてくる。

「どこから来たの?」
「誰と来たの?」
「何してるひとなの?」
「いくつなの?」
「地元だから、スノボ教えてあげようか?」

語尾にすこし方言のイントネーションが入るけど、TVで聞き覚えただろう、今風の言葉は、決して不快ではないし、そして、チャンスだと思う心にも不快は無い。

「神奈川」「ともだち」「大学生」「はたち」「ありがとう」私も言葉を並べる。嘘は「ともだち」だけだ。

風が強くて、減速になったゴンドラは、10分少しかかって、山の中腹の駅に着く。その間、三人は出会ったばかりの男の子と女の子が、きっと話すんだろうなって会話をして、笑いあった。

そこから少し左に滑り込んで、クワッドに乗って、山頂に着く。一緒に。

「結構上手いね」「ありがとう」

コース図で確認しておいた、左手の林間コースへ滑り出して、20°ちょっとの斜面を下る。そのまま、緩斜面へ滑り出して、ゲレンデ幅一杯にスラロームしながら、圧雪の縁を使って、少しだけ飛ぶ。

二人は、ついてきてはいたけれど、ちょっとバランスを崩すと前足加重になるくらいの腕前で、かなり危なっかしい。

そのまま、左側の30°のコブ斜面へ入って、ショートターンを繰り返し、また少しだけ飛ぶ。

下に着いて、見上げる斜面を、立ち上がろうとしては転び、また少し滑る。でも、ちょっとだけカッコを付けようとしてまた転び、繰り返しながら、二人は降りてくる。

中頃で、疲れて座り込んでしまった二人が揃って私を見ている。雪が強くなって、あっという間に二人を白く包む。

霞む二人に、大きくバイバイって手を振って滑り出し、コース外の林に入って木を避けながら滑る。新雪はふかふかで、雪は細かく舞い上がる。

部屋に帰るとお客さんはまだ眠っていたけれど、気配で目を覚まし、窓の外の吹雪の景色を見て「だめだな。」と呟き、私は服を脱いで、ベッドに入る。

さよなら。いい子みつけるんだよ、きみたち。

2005/02/27(日) side B : 凍る髪 あるいは 記憶
包み込む暖かな色は、去年と同じで、そしてあの日とも同じだ。

ちょうどこの場所に来た、去年の今頃、私は性についてのテキストを、繰り返し書いている。

大学に入り、楽しいはずの学生生活を始めて、「ソープ嬢の私」と「学生の私」と、そしてここにいる「私」のバランスが取れなくなって、私は壊れた。

どこで何をしていても、心に何か異物があって、それは濡れもしない性器に、何かを挿入され、かき回されているような、粘膜がキシキシとするような不快感から始まった記憶がある。

冬でも開いている、雪の中のジャグジーで、今年も私はお客さんと交わる。去年は挿入したまま、幸せそうな家族と触れて、あの日、家族でこの場所に一度だけ来た事を思い出したりもしたけれど、今年は平日なので、室内のプールにも人影は無い。

デジタル表示の温度計は氷点下6℃を示していて、結晶の形のままの雪が舞う。40℃の温水に落ちる結晶は、あっという間に形を無くして水に戻り、そして私に落ちた結晶は、そのまま髪に凍りつく。

凍りついた髪で、水面から突き出すお客さんのペニスを舐め、髪は水面に触れて、氷は溶けて、そしてこんどは、その水が凍る。

二度交わってから、一人でお風呂へ入って髪を洗った。

流れるお湯で、髪は元に戻った気がするけど、凍った感覚は、当分忘れない。

2005/02/23(水) side A : 春の小さな花
春一番が吹いて、お陽さまの光の色が、また少し変わる。

小さな花達が開き始めて、お庭は少しずつ冬から離れ始める。

春は来る。必ず来る。

でも、その次の季節を見ることを出来る花は少ない。

2005/02/21(月) side A: 花金鳳花
北風の中に、花金鳳花が咲く。

去年は、すずらんといっしょに4月に咲いた花が、もう咲いている。

ラナンキュラスという別の名を持つその花は、重ねた花弁を少しずつ開いて、光を受ける

名前は同じでも、花の色は違う。

花の色は違っても、球根はみんな同じ形だった。

なんとなく、そんな事を思った。

2005/02/11(金) side A: あたたかさ
髪を上げた首筋がひやりとして、

見上げる空から雪が舞う。


昨日の夜は、そんな日だった。


今日も風は冷たくて、

でも、お水をあげようと庭に出る。

あたたかい。

風が冷たいから、

陽射しの温かさをうれしく思える。

お花たちは、そんなことくらい、

とうに知っていたようなんだけど。

2005/02/10(木) sideA:冬のひまわり ふたたび
自分だけにかまけてしまい、久しぶりに振り返った雪の中にきみはいた。

仲間はとっくに、みんないなくなっていて、でもきみは独りで立っていた。

もうとっくに、力尽きていたっておかしくはない風の中で、でもきみは立っていた。

私に出来ることは少なくて、少ないことがくやしくて、ごめんねごめんねって、思ったって、何かが変わるわけじゃない。

でもきみは咲いてくれた。

もういいよ。

ゆっくり眠ってね。

きみがいたから、もうすぐ花になるつぼみがいるね。

ありがとう。

逢えて、よかった。


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