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最新の絵日記ダイジェスト
2006/06/04 side A: ひさしぶり
2005/09/17 side A : ひまわり
2005/09/16 side A : 空 
2005/09/15 side A : そして
2005/05/23 side A : レースフラワー

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2005/04/28(木) side A : みどり そして 白い花
強い風に花は散る。

まだ眠るには少し早かったのだけれど、色とりどりだった、チューリップのほとんどは消えて、茎だけが揺れている。

深くなるみどりを背に、白いスイトピーが咲いている。

去年よりずいぶん遅くなったけど、北の庭のスズランの最初の花が開く。

一番最後に植えた、何色か判らなかった球根は、初めて見るみどりの花で、次の季節にもお似合いな気がした

2005/04/23(土) side A : ポピーたちの 朝
いつもより少し早い朝に、庭に出る。

如雨露でお水をあげ始める頃

ポピーたちは殻を落として開く。

出逢った光は、まだまだ淡く

生まれたばかりの蕾はそれより淡い。


仕事に向かう時、陽射しはもう強く

ポピーたちも、もう花になっていた

2005/04/22(金) side A : スイトピー満開
まっさおな空の間を、
スイっと黒い影が横切る。

明るくて、でも日陰になった軒先に
ツバメも、もう、帰って来たし
お陽さまの通る場所も、
色も変わって、春が往く。

開き始めて三週間が過ぎ、
スイトピーが満開になった。

少し軌道を修正して
選んだ科目の講義も始まって、
二つの暮らしが戻ってくる。

サークルにも新入生が入ってきて
先輩達は、就職活動に忙しい。

お店は3月が出代わりの時期で
もう辞めてしまった子もいるし
新人優先の期間が終って
お茶を挽いてしまってから、
慌てて接客を習おうとする
そんな子もいたりする。

去年と少し違う。

一昨年とは、ずいぶん違う。

来年は、違っているように
しなくちゃ、なんて思った。

2005/04/21(木) side A : チューリップ いっぱい あるいは 季節の終わり
咲き始めたチューリップたちは

10日の日を過ごして、満開になる。

いろんな形で

いろんな色で

ちょっと大きかったり

小さいままで咲いたり

そして、つぼみのままで

雨の中で、眠ってしまったり。


半年前の霜の降りる前の季節

頭の向きを揃えたり

被せる土の深さを揃うように

割り箸をポキンと折って

物差しを作ったりもした。


芽が出てからは

みんな一緒に咲くように

日当たりが同じなるように

何度も何度も、場所も変えた。


今日はお天気は良かったけれど

風が少し強くて

最初に咲いた花が散る。


次の年、また咲けるといいね。

咲いた花を、見ることができれば

嬉しいのだけど。

2005/04/16(土) side A : チューリップ たち (4)
チューリップは、絵本やぬり絵のチューリップの形なんだと思い込んでいた。

少しだけ違っていたとしても、それは少しで、チューリップはチューリップだと思っていた。

小学校に通うようになってから、朝、お家を出て、終って帰る。

あの年までは、たまに、水やりのお手伝いをするのも、お陽さまが傾いた後で、お花を私が育てるようになり、チューリップはお陽さまを見上げて開き、そして夜は閉じて眠ることを初めて知った。

「これは、なんて言う花なの?」

お庭を覗き込む散歩中の、年配のご夫婦に声をかけられる。

名前を伝えると、ちょっと驚いて、しゃがみこんで、横からも眺める。

よかったね。

きっと、きみの仲間が、次の年は違う庭にも咲く。

2005/04/15(金) side A :チューリップ たち (3)
お陽さまの下で、

チューリップたちは花を開く。

カラダいっぱいに光を浴びて

伸びをする。

でも

ずっと光の中にいると

すぐに散ってしまうことを

まだ、知らない。

2005/04/13(水) side A : チューリップ たち (2)
一度、ジャケットで表に出て、コートを取りに戻る。

重い空の下に、冬のような風が吹くこんな日にも、新しい花は咲く。

暖かな日があったよね。

だから、今日があるんだよね。

明日は、明日じゃなければあさっては、

あさってがそうじゃなけりゃ、その次の日に

お陽さまにきっと出逢える。

2005/04/11(月) side A : チューリップ たち
風に乗って、さくらの花びらが、南の庭にも届く。

暖かい日が続いて、満開を過ぎた花びらたちが舞う頃に、チュリーップたちは、花芽を伸ばし、ひとつ、またひとつって、姿を見せてくれる。

前の年も咲き、掘り上げておいた球根の中には、もう何年も居てくれる花もあるし、新しく来てくれた球根たちは、花色がわかっているのと、最後の最後の大安売りで、育ててくれるなら、全部で500円でいいよって言われて連れてきた、シールが取れてしまって、種類も色もまったくわからなくなり、大きさもバラバラだった50球もいる。

いろんな色の、いろんな形で、でも、いっせいに開き始めた日は、あいにくの雨で、グンって伸びた茎から、ちょっと暗い空を見上げる。

大丈夫だよ。

天気予報では、あさって、お陽様は現れる。

ちがった空も、きっと好きになれるよ。

2005/04/10(日) side A : さくらのよる
さくらは、もうなかった。

繁華街の角を左に路地へ曲がって、右にある小さな公園へ入れば、ビルを背にして、そのさくらは、枝を伸ばしているはずだった。去年はそうだった。

少しがっかりして、大通りを渡る。

ずっと前、ずっと小さかったころ、家族でさくらの季節にこの街にきたことがある。

広い敷地のその建物の周りには、ぐるりとさくらが咲いていて、歩いても歩いても、はらはら、はら、さくらが舞って、手をつなぎ、笑いあい、髪についた花びらをつまんでくれる、父の髪にも花びらは乗っていて、そう言うと、頭を下げてくれて、その花びらを私もつまんだ。

妹の髪にも、弟の髪にも、花びらは降って、私達はそのままで歩くことにした。

工事をしているその場所の、さくらは去年にはもうなくて、クレーンの灯りが、点滅していた。

坂を降りきった、向こうには少しだけさくらが残っていた。

そのさくらは、今年も咲いていて、少しほっとする。

右に曲がって、もう学校ではなくなってしまった建物の、さくらに会いにいく。

そのさくらだけは、あの日より、伸ばした枝に、花を咲かせていてくれた。

2005/04/06(水) side B :  さくらのあさ
思い出すいろがある。

そのいろは、白でもなく、桃の色でもない。

限りなく白い色が、ほんのすこし染まって

なんの色に染まっていたかと言えば

少女のいろとしか喩えようは、ない。

さくらいろ。

それも、明けはじめる一瞬の光が加わる

さくらいろ。

今の私にはそのいろはなくて

そのいろを私は、あの日、お金に換え

今は、こんな色になった。

2005/04/05(火) side A : ありふれた風景 あるいは 
去年、クリスマス飾りを少しだけした頃、最初にみつけたパンジーは、ここに来た。

チューリップの球根が、もう先に春を想って眠っているハンガー鉢に、白と赤は、こんな季節に似合うなって思って、今年もパンジーを植えた。

雪に埋もれた次の日の元旦にも、水引を結んだ小さな門松ともよく似合っていたし、玄関の横の、真冬は少し陽当りが悪くなる場所なのに、ずっと花を付け続けてくれて、でも、いつしか、ありふれた風景になってゆく。

チューリップの、芽が伸びて、形を変えて私は気付く。

きれいだよね、がんばってくれていたよね。

いっぱい咲く花達も景色になって、ひとつひとつを、思うことが出来なかった。

ちゃんと見たい、ちゃんと見よう。

きっと私が、お花だったら、花びらだったら、せめて、ひとりくらいの一瞬の記憶には、残っていたいだろうって、思うから。

2005/04/04(月) side B : 始まり そして 
唇を噛んで、暮らしていた。

伝わらないことに苛立ち、病院へ逃げてしまった母に、少し割り切れないものを感じながらも、わかろうとし、そして、わかったつもりになって、カラダを売るようになった。

もちろんそれは、誰のためでもなく自分のためで、今日の暮らしに限りなく近い、私の希望と我侭を、家族を理由にして、実現しようとしたことを私はホントは知っている。

嫌で嫌でたまらなくて、でも、コンビニで高校が終って毎日5時間以上働いて一週間かかって、もらっていたバイト代を、一人のお客さんに挿入されて、射精してもらい、**分過ごせば、手に入れられるようになった。

バイト時間は半分にしても、払わなければならない支払いをし、暮らしの掛かりをおばぁちゃんに渡しても、少しずつお金は残せたし、父の建てた家で家族は暮らし、自分を売って、買った時間で、目標の大学にも入ることができた。

16歳からのこの4年以上の日々は、絶望したし、泣いたし、壊れたし、壊れたときは、公園で後頭部をブランコの鉄柱に何時間もぶつけ続けて、大きなコブが出来て、2週間以上、仰向けには眠れなくて、お店でも、出来るだけ騎乗位やバックばかりにお客さんを誘っていた。

手首を切らず、死のうとも思わなかったのは、ほんとにここに残していた言葉と、受け止めていてくれたみんなのおかげで、でも、仕事にも、学校生活にも差し支えない範囲で、私は私を壊したかったんだと、今は思う。

最近書いた日記で、そんなみんなに、心配をかけてしまったようで、心が痛む。

読み返してみると、確かに読み方によっては、私が死に憧れているように取れなくもない。

急にまた壊れて、自死しないと断言は出来ない。でも出来ればしたくない。今の私は、毎日が大切で、大切な大きな一つがここだって、また気付いて、言葉を残している。

突然だけど、私が小学生だったときに好きだった紫堂恭子さんの作品にこんな言葉があったことを思い出す。


『うんと悩んで、失敗も、つらい思いもたくさんなさい。
 それは、生きるものだけが持つ、最高の特権なのだから。」


私はきっとこれからも揺れる。でも、大切な物がたくさんあって、お花にお水もあげたいし、ハイビスカスは、そろそろ部屋からだし、むくげは南の庭に移動して、そこにあった侘び助は西に移動する。

5月になったら、ひまわりの種を蒔き、あじさいが手まりになる少し前には、朝顔棚をちょっと修理して種を蒔く。

でもその頃には、今日一斉に花を開いたスイトピーは、もう株全部は眠っているし、今咲いている、いろんな花たちも、一輪だって咲いていないことは知っている。

今の私は、微笑むことは出来るし、大声で笑う。もう一年足らずの日には、就職活動を始めているのだし、再来年には、どこかの席に職を得ていたい。そのために頑張る。

でも、始まりがあれば終わりは必ずある。

今日があることに、心から感謝して、眠りに就く。

そして、みんなにも、いい日が明日がきますように!

ありがとう、この文字をみてくれるみんな。

2005/04/03(日) side A : ちっちゃなお花 2005年4月3日
なんだか落ち着かない季節や、暖かくなったり急に冷え込んだりと、変わり続ける気温の中で、花を付けないまま眠ってしまった草もある。

もう少し私が気をつけて、部屋に入れてあげたりしていたら、咲けたかもしれないのに。

ごめんねって手を合わせて、姿を隠してあげる。私に出来るのはもうそれしかない。

葉は出たのに、花を付けられない球根たちには、陽あたりのいいところに、新しい棚を作って、大きくなってねって、お願いしてみる。

今日は桜も一斉に開き始める暖かな日で、春の小さな花も咲く。

がんばろうね、できるだけ。応援するから。

でも、それでも無理だったら、休んでもいいんだよ。

種は必ず残って、生まれ変わって、また会える。

種が残せなくても、兄弟が姉妹が、きみの思いを伝えてくれる。

きっと、いつかはどこかで、また会えるよね。

2005/04/02(土) side A : チューリップ一号
観桜の宴はさすがに中止になって、外出の予定の時間を個室で過ごす。

忙しい時期の急な変更は、部屋の回しに苦労したようで、常連さんには言えない苦情のイライラが、私向かってくるのは仕方ない。立場が違えば、きっと私も同じだと思うし。

そんなこともあって、昨日は一人でBARに行き、気分を変えて一眠りしてしまえば、朝は来る。

球根から育った、今年最初のチューリップが咲く。

ほとんど無理かなって思っていた、去年掘り上げた小さな球根を、まとめて植えたその鉢で、その花は咲いた。

ちょっと小さくて、ちょっと花の形もいびつではあるけれど、咲いてくれてありがとう。

2005/04/01(金) side A : エイプリルフール あるいは BARにて
ほんとに久しぶりにBARのカウンターに座る。

9月に入院してからは、お酒から遠ざかっていて、でもなんだかこの場所に来たかった。

まだ早い時間で、お客さんは他には居ない。

「久しぶりですね」

「ちょと病気しちゃって」

「えっ!?それは、それは・・・」

「これからまた通いますね。通えるうちに」

「いらっしゃって頂けるのは嬉しいですが、お身体は・・・?」

「だから、来ることが出来る間はっ!」

「・・・・・・・・・」

マスターの眼が、ちょっと真剣になる。

「あっ、エイプリルフールかっ!?だめですよ。言っていい冗談とそうではない冗談が・・」

視線が合う。

「何にします?」

「お任せで、いつものように今の気分で」

マスターは、苺をミキサーにかける。そんなカクテルは初めて見るのでちょっと驚く。

コーンのウイスキーにその苺のジュースを混ぜ、グラナデンシロップを加えてステアする。

甘い味を想像して口をつけると、まるで甘みは消えていて、すっきりした味に、春のお花畑が見える気がする。

「ペルー・クスコ地方の歓迎の飲み物ですよ。名前はチャチャモラーダ」

先週私は、まだアップしていないiいろんなテキストや写真や絵をコピーしたCDを、信頼できる人に託した。

私が突然居なくなっても、このページには、私が残したかった言葉達は少しずつ、残っていく。

「エイプリルフールですよね?」

ドアに手をかけた私に、マスターがもう一度声をかけてくれる。

私は、ちょっと微笑んで、ドアを閉じた。


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