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2007/08/15(水)
安岡正篤先生の言葉から
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自分が常に意識している「こころ」と「からだ」の関係で、とても興味深い文章に出会いました。 安岡正篤先生が、禅寺で修行している若い坊さんたちの、日常の生活への不満に対して言った言葉です。
「人間は足腰というものが大事なんだ。足をなぜ『足る』と読むか?腰抜けといって、人を罵倒するがこれはどういうことか? 君たちは座禅をしたり、掃除をしながら、足という字の意味も腰をいう字の意味も知らんじゃないか。 人間は観念の遊戯、あまり抽象的な問題に体を抜きにして偏ると、薄っぺらになってくる。
大脳皮質というものが上のほうに上ずってしまって、体がお留守になると、駄目になってしまう。すぐに神経衰弱になったり、空疎になって、くだらない思索の遊戯に陥ってしまったり、空理空論走ってしまう。 まず大事なことは、そういうことにならんように足を地につけ、腰をしっかり据えることだ。」
「肝腎要ということがあるが、何か知っているか? 肝腎要といったら、肝臓と腎臓と腰ということだ。 腰というものはそうゆうふうに、肝臓と腎臓と同格で大事であって『要』というのは腰という字で、あとになって肉月をつけて腰という漢字になった。
だから、人を罵るのに『腰抜け』というが、あれは名言なんだ。だいたい腰抜けが多い。腰が抜けると、上半身と下半身の連絡が悪くなるから、本当に駄目になってしまう。
足は、『足る』と読むぐらい、足というものは全身の生理・健康にもっとも関係が深いので、足が丈夫であれば、健康はそれでだいたい良い。 だから『足る』と読む。手は、そういうわけにはいかん。だから、足腰が大事なんだ。 その為に、禅家では座禅と同時に掃除をさせるんだ。 掃除でも竹ほうきをもって立ってする掃除は、あまり役に立たん。拭き掃除に限る。 尻をふりたてて、そうして長い廊下を雑巾でもって拭く。これは非常な薬で、どんな神経衰弱で、いかなる妄想にふけっている奴でも、これをしばらくやったら神経衰弱はすぐに治る。 神経衰弱が治るばかりじゃなくて、胃腸病なんかもみんな治ってしまう。こんなありがたいものはない。」
という文章です。 心身一如、心と身体の関係、まだまだ私の知らない世界です。 自分の為に書き残しておきたいと思いました。
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