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2008/04/16(水)
金子みすず
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この間、本の整理をしていたら、以前にご縁を頂きた大空社さんからいただいた本が出てきた。 薄いパラフィンのカバーのある詩集。 金子みすず童謡集、「繭と墓」と題名にあった。
一ページ、一ページ、ゆっくり読んでみた。 とてもいい詩の連続だった。 でも、どこかもの悲しい詩。 彼女の未来を予測したような詩だった。 この本の中にある詩ではないけれど、今のところ、一番好きな詩です。
「私と小鳥と鈴と」 私が両手をひろげても、 お空はちっとも飛べないが、 飛べる小鳥は私のやうに、 字面(じべた)を早くは走れない。
私がからだをゆすっても、 きれいな音は出ないけど、 あの鳴る鈴は私のやうに、 たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私。 みんなちがって、みんないい。
「お魚」 海の魚(さかな)はかわいそう。
お米は人につくられる 牛は牧場で飼われてる 鯉もお池で麩(ふ)を貰う。
けれども海のお魚は なんにも世話にならないし いたずら一つしないのに こうして私に食べられる。
ほんとに魚はかわいそう。
「露」 誰にも云わずにおきましょう。
朝のお庭の隅っこで 花がほろりと泣いたこと
もしも噂がひろがって 蜂のお耳にはいったら 悪いことでもしたように 密を返しに行くでしょう。
ほかにもの悲しい詩がいっぱいです。 是非、読んでみて下さい。
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