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2009/07/20(月)
言葉のダシ
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言葉のダシのとりかた 長田弘
かつおぶしじゃない。 まず言葉をえらぶ。 太くてよく乾いた言葉をえらぶ。 はじめに言葉の表面の カビをたわしでさっぱりと落とす。 血合いの黒い部分から 言葉を正しく削っていく。 言葉が透きとおってくるまで削る。
次に意味をえらぶ。 厚みのある意味をえらぶ。 鍋に水を入れて強火にかけて 意味をゆっくり沈める。 意味を浮きあがらせないようにして 沸騰寸前サット掬いとる。
それから削った言葉を入れる。 言葉が鍋のなかで踊りだし 言葉のアクがぶくぶく浮いてきたら 掬ってすくって捨てる。 鍋が言葉もろともワッと沸きあがってきたら 火を止めて、あとは 黙って言葉を漉しとるのだ。
言葉の澄んだ奥行きだけがのこるだろう。 それが言葉の一番ダシだ。 言葉の本当の味だ。 だが、まちがえてはいけない 他人の言葉はダイには使えない。 いつでも自分の言葉をつかわねばならない。
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俺、ちゃんと言葉のダシとってんのかな?????
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