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2006/08/24(木)
釜盗人
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釜盗人(かまぬすっと)の話
というのが、今読んでる本の中に出てきます。(この本が・・・文庫本で定価880円なはずなのに、今は古本屋にもなかなかなくて、なんと最低価格で2700円・・・涙 3倍とは・・・。こないだのル―ス・ぺネディクトの「菊と刀」の比ではありません。ハ―ドカバ―並。でもまあ確かに面白いのでしかたがありませぬ。)
「お釜を盗んだ人を裁く話」なんですが・・・ 藤原兼光という検非違使の長官がこの「お釜盗難事件」を見事に裁いているということで取り上げられておりまして。なかなか面白い。
事件としては、足の不自由なものが、今で言う「金物屋さん」から「巨大なお釜を盗んだ」と言いがかりをつけられる。 言いがかりをつけられたほうは「こんな不自由な身でどうやってこんなに重いお釜をわたしが盗めましょう」という。 確たる証拠もない。 そこで藤原兼光は「まったくだ。不自由な身の上のうえに、お釜泥棒の罪まで着せられそうになって気の毒に。まったく不憫であるから、このお釜をお前にやろう」と、盗まれたお釜とほぼ同じ大きさのお釜をそのものに与える。と・・・その「不自由な身の上でとても盗めない」といっていたものが、与えられたお釜を担いでさっさと帰ろうとした。 藤原兼光は「なんだ、持てるじゃないか」とその者を「釜盗人」として捕らえた。という話。
墓穴を掘る代表的なお話でございます。(それにしても「釜盗人が墓穴を掘る」というのもなにやら凄い響きでございます。爆)
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