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2008/01/23(水)
オリジナル扇子 絶滅の危機
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いままで、一点ものの扇子を仕立てて下さっていたところが、高齢化で「受けて」いただけなくなってしまいまして。
急遽「受けてくださるところ」を探すことになりました。
でも、どこも「原画」を仕立てるのは怖いようで、「印刷したものを・・・」 と「受けて」もらえません。
和紙や画仙紙に直接描いたものは、仕立てるときに失敗すると大変だから・・・ ということのようです。
それと、和紙に描ける作家も減ったみたいです。
仕立て業者さんを探しているときに「お宅さんにあわせるので扇子用の地紙も欲しい」と言ったら
「画仙紙の地紙だと、にじんじゃいますよ。いいんですか?」
といわれました。
・・・・・。
「あの〜にじんだり・・・ぼかしたり出来ないと困るんです。墨絵なので。」
と言ったんですが。
写真をそのまま取り込んだり、漫画やイラストを描いたりする方が増えて、「書画を描く」人が減ったみたいです。 あと、書画を画仙紙に描くだけの技術がなくなってきているみたいで。
「にじんじゃうとうまく描けないのでにじまない紙を・・・」というニーズのほうが高くなってきているみたい。
確かに、わたしも大昔は「にじみ」や「ぼかし」が「意図的」に出来なくて、『偶然性』に頼っていた時期がありました。 でもそんな腕前じゃ、商売できません。
万一『仕立て』に失敗しても、下絵をもとに「描き直す」ことは出来ます。ただ、手間がかかるので、出来れば事故はないに限りますが。
肉筆一点もの扇子は近い将来、「仕立て屋さん」がいなくなってしまって絶滅するかもしれません。 といって、私が扇子まで仕立てる・・・ってのは出来ないし。
真剣に困っております。
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