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2008/12/25(木)
MY GUITAR STORY その4
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1938 MARTIN 000-18 (1981〜)
河原町二条のワタナベ楽器に、戦前の000-18が格安で売られているという情報を得たのは、 1981年の秋と記憶しています。 当時私はストーミーマウンテンボーイズというバンドで活動している時で、ブルーグラスが 大学生を中心に定着する反面、アコースティック人気にはかげりが見え始めてきた時代でもあります。
しかし、いわゆるオールドギターが巷に入り始めていた頃で、当時非常に高価な販売がされていて、 皆楽器屋のショーウィンドウを眺めては、ため息をついているしかないという状態の頃でもありました。
そんな状況なので、とにかく楽器を見たくワタナベ楽器へ駆けつけました。 現れた000-18はクラックは殆どないのですが、かなりのキズキズで隅々に渡りニス割れがあり、 バックはベルトバックルウェアが凄まじいです。
今でこそ70歳の老体ですが、当時は43歳の壮年です。 戦前のモデルだけあって、激戦地を駆け抜けてきたのかもしれません。 それだけにその存在感には、圧倒されてしまいます。 弾かせて貰うと、低音から高音に渡るまで明るく深いマホガニーサウンドです。 気に入ったのですが、その頃VEGAのバンジョーやTB-4など、たてつずけに 買っていたので高価な楽器を手に入れる財力はありませんでした。
でもじっと000-18を見つめていると、どうしても私の元へ来たいという意志が伝わり、ローンでの購入を決めました。
1938年製MARTIN 0000-18 スキャロップブレイシング、エボニー指板&サドル、 鼈甲柄ピックガードなど現行モデルと仕様が違っています。 かくして格安(当時の相場で1/4位の値段)で手に入れた000-18、何か訳ありの品物なのでしょうが、 今も元気に我が家で暮らしています。
しかし当時のワタナベ楽器、古い小さな店なのですが店頭に20年代の000-45が展示されていたり (このギターは後に25万円で売っても良いと言ってられましたが、買っておけば良かった・・・)、 オールドギター高値の中で60年代のJ-200やHUMMING BIRDが10万円位で売られていたりして、 独自の存在感のある楽器屋でしたね。
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