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2008/08/14(木)
MY BANJO STORY その4
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VEGA ARTIST (1980〜)
GIBSON MARTIN などUSA産の楽器が巷に普及するこの頃、 オールド楽器(今ではビンテージと呼ばれていますが、この頃はオールドと呼ばれていました)の存在が、 明らかになり始めていました。 確かに1970年代のGIBSON MARTIN は、品質が悪くあまり鳴らなかったように思います。 それだけに大量生産せず、かつ年月を経たオールド楽器は、当時すばらしい光を放っていました。
バンジョーの世界では、1920〜30年代のギブソンマスタートーンが最高だとされ、 中でもグラナダが、その頂点にいることを知りました。 しかし当時日本にはまだ殆ど入ってなく、「アメリカに行っても見つけるのは無理や」とも言われていました。
そんな頃、京都のワタナベ楽器で「古いグラナダとか言うバンジョーを30〜40万円位で売りたい、 という人がいるよ」という話を聞きました。 「えっ!グラナダ」絶対に入手不可能だと言われる物がそばにある、私は買いたい意を伝え、 心待ちに待っていたのですが、思い出に残しておきたいと言うことで、売ってはもらえませんでした。
その時から私の「グラナダへの長い旅」が始まったのですが、 意気消沈してワタナベ楽器のウィンドウを、ぼんやり眺めていると、 片隅におかれた古いヴェガのバンジョーが、突然眼に入ってきました。
いままでその存在すら分からなかったのに、不思議なことなのですが、弾かして貰うと、 ぼんやりとした霧の中にきらめく、ダイヤモンドダストのような不思議なトーン、 「これはただ者やない」と即買ったのが、今でも所有するこのバンジョーです。
楽器屋さんでは詳しいことが分からず、家に帰って調べたところ、 1927年製ヴェガのヴェガフォンシリーズの上級モデル「アーチスト」であることが分かりました。
その後あまり表舞台に立つことはないのですが、常にお目付役の立場で、 我が家の楽器たちを仕切って貰っています。
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