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2008/09/30(火)
MY BANJO STORY その9
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1933 GIBSON GRANADA (1993〜)
人間は動物の中で唯一、煩悩を有した生き物です。 そしてほしい物や不安など、心の中にわだかまりがあると、激しく燃えさかるようになります。 また仏教的になってきました、仏教講座は別の機会に設けるとしますか(そんなんいらんか)。
1932年のTBー4まで手に入れると、「もっと良い物がほしい」と煩悩が最大に燃えさかるようになり、 どうしてもオリジナルのフラットヘッドが欲しいと思うようになりました。 前途のように、フラットヘッドは市場に出るのが希で、値段も非常に高いものです。 しかし網を張っていると、一年に一本くらいは市場に出るもので、このときはMandolin Brothers から 1940年のTBー75フラットヘッドが売り出されました。 お金の段取りもあまり考えずに、「とにかくほしい」という思いで即オーダーしたのですが、売れてしまった後でした。
意気消沈してぼんやりとMandolin Brothersのカタログを見ていると、TBー75と同じページに 小さく載っていたのが1933年製のGRANADAでありました。 当時はまだ買いやすい値段で販売されていた、レイズドヘッドのGRANADA「まあ良いか」との思いでオーダーしました。
しかし楽器屋から発送されてからは、凄く待ちどうしい気持ちにかわり、自宅に到着してケースを開けるときは、 もう手が震えるほどの思いにまで変わっていました。 そしてケースから出てきたのは、まぎれもないGRANADA。 フラットヘッドではないけれどSCRUGGSやOSBORNEと同じGRANADA。 やっと巡り会えたGRANADA。
当時還暦を迎えた彼は、長い旅を終え、ホッと安堵の表情を浮かべていました。 そして私にとっては、何か忘れていた大事な物が蘇ってきた瞬間でもありました。
今回はケンタッキーマンドリンの鷲見さんに5弦ネックを作ってもらいました。 カーリーメイプルのボディから出る音は真にSCRUGGSそのもの、まるでトーンリングの中に SCRUGGSが住んでいるような、不思議なバンジョーです。 以後今年で15年、フラットヘッドや上級機種に浮気することもなく、使い続けています。 尤もお金がないので、浮気が出来ないのが現状ですが・・・・。
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